ジョージ・ルーカスさんと、日高晤郎さん～part１

☆スターウォーズとの出会い

１９７７年に初公開された「スターウォーズ新たなる希望」

映画開始とともに画面いっぱいに映し出されていく巨大艦スターデストロイヤーと重く響いてくる轟音。
この冒頭の衝撃だけで、当時の映画ファンの魂を鷲掴みにした名作。
、、、こう書くといかにも私もリアルタイムで観た部類だと思われてしまうが、実は違う。
１９７７年はまだ中学生。
一番近い映画館へは電車で二時間以上かかり、映画なんて贅沢品は中学生が見るもんじゃないという環境で育った私には別世界の出来事。
「スターウォーズ新たなる希望」は私にとって、遠い遠い銀河の世界での作品であった。

それから三年後の1980年。
続編となる「スターウォーズ帝国の逆襲」が公開される。
同年、高校生となっていた私は、親友の初デートの付き添いという訳の分からん役回りで親友とその彼女と電車に揺られて二時間以上。
そう、奴らの初デートは映画館だった。
異性との会話が苦手な親友は、彼女との会話が不安。そこで「会話に詰らない様に私が会話を盛り上げてほしい、映画料金はみんなの分俺が払うから。」というのが私へのデート同伴依頼条件。

人の金でですよ、親から禁止されていた映画館に足を踏み入れられるだなんて。
よしよしたくさん会話いたしますよぉと、張り切っての付き添い。
しかし今考えると、結果、親友の彼女と私とのデートみたいになってたなぁ。
すまんな、親友m(__)m
人生初の映画館でのポップコーンまで買っていただいたのにm(__)m
まぁそれはそれ。

彼女の目的は、映画「宇宙戦艦ヤマト」
付き添いだから、ヤマト上映を第一の目的に予定を組んでいた。
ポップコーンかじりながら、映画上映中は会話盛り上げ係の業務中断。
さてヤマトも終了し、いかに凄かったか彼女が盛り上がる中、外は雨という事でその後の予定変更。
地方ではお馴染みの、併映も観ることになった。
それが「スターウォーズ帝国の逆襲」だった。

☆スターウォーズ哲学

併映作品。
つまり添え物。
メインの作品、つまりこの時は宇宙戦艦ヤマトを観れば、スターウォーズも観れますよというサービス。
そう、私のスターウォーズ初鑑賞はサービスで上映された物だったのだ、しかも親友の金で。

衝撃だった。
映像はもちろん凄まじく印象深く心に刻まれたが、物語の展開がまた異常に衝撃的。
突然何の説明もなく寒い惑星で戦闘が始まり、まったく完結しないラスト。
はっきり言って、なんじゃこの後味の悪さは！！ってぇのが初回の感想。
（後日、それが制作者側の意図だと気づかされるが）

そして何よりも、いわゆる人生激変的超衝撃出会いだったことがある。
この作品で初登場する人物。
ジェダイ・グランド・マスターのヨーダ。

ご存じの方も多いと思うが、この作品でのヨーダは、フランク・オズ氏の操る人形。
しかしその表情の変化や、発する言葉や行動が、実に東洋的。いや、日本的なのだ。
登場の仕方も深い。
なにより驚かされ、５７歳になった私の今でも座右の銘となっているヨーダの言葉がある。
修行の成果を発揮しようとして失敗し落ち込む主人公（教え子）に対し示したヨーダの哲学の一端。
「やってみます？
だから失敗するんじゃ。
やるか、やらぬかじゃ。」
後日、日本語訳は変更されたと思うが、当時の訳はこうだった。

映画の中の操り人形に影響されるだなんてと思われるかもしれない。
しかしこれ以降、私の行動規範はここに生まれた。
やってみますではない、要は、「やる」」か「やらないか」の二択だと。

☆日高晤郎さんと、ヨーダ

それから十年後かな、私は札幌に越してきて、そこで２００円のラジオを買って、日高晤郎さんを知ることとなる。
まるで日本語を理力（フォース）の如く操り、ラジオのこちら側の心の内にまで、生きる活力を生じさせてくれる存在だった。
戦えば強いのに、極力戦闘は避ける姿勢。
深い意味を含むのに、受け手側の読解力によってはとても単純にとられてしまう言葉選択。
俯瞰的視野。
極めて東洋的。

私は日高晤郎さんの中に、ヨーダ的なにかを感じてあの頃、一人暮らしのアパートで正座してラジオに向かっていたのだ。
そしてその感覚は今でも変わってはいない。
間違いとか正解とかではない。
私はそうだったという話だ。

☆part2へ行く前に

え、この話まだ続くの？？とか思ってはいけない。
私も驚いてる。
土曜日の朝ご飯食べて、ちょいとアップするつもりが、自分でもびっくりするくらい前置きが長くなってしまったのだ、ごめんね。

次で終わり。
次こそは、スターウォーズの生みの親ジョージ・ルーカスさんと日高晤郎さんについて書く。
もう宣言した。
次は、やる！

ちなみに私を盛り上げ役に依頼した私の親友とその彼女は、それから9ヶ月後に別れた。
これもフォースの意思ですじゃ。