正月読書2021~死都 日本
☆「小松左京 日本沈没」とは別角度の日本
実はこの正月、読んだ本は、ディーヴァーのネヴァー・ゲームと、この一冊だけ。
読み応えありました。
何か満足。
小松左京さんの日本沈没は有名ですね。
そしてとても衝撃的でしたよね。
同じく左京さんの「首都消失」も大好きなのですが、今回の「死都日本」は、2002年に発売された作品です。
著者は、石黒耀さん。
いまこのblogに、2011年の東日本大震災と日高晤郎さんを書き残している最中です。
だから妙にリアルでした、そして本気で怖くなった。
東日本大震災の9年前に世に出されたこの本が扱っている題材は、火山。
しかも、冗談でしょってレベルの極限的な噴火。
そして小説の舞台は、我が古里、宮崎県。
日本沈没とは別角度で描かれた日本の終わりが描かれているんです。
更にですよ、先ほど冗談でしょレベルの噴火と書きましたが、実は冗談ではなく、私が噴火の怖さを本当は全く理解していなかったという事を知らされた小説でありました。
本当に、怖い。
☆カルデラ噴火の真実
九州の中央にある阿蘇山。
ここはカルデラ噴火の名残として有名で、観光地にもなっています。
阿蘇火山博物館と言う施設があって、過去の阿蘇のカルデラ噴火の様子を動く模型で再現していたのを見た事があるんですが、「おおすごいな」と、棒読みの感想を抱いたものです。
が、しかし、私は間違っていた。
この死都日本を読み終えて、慌ててカルデラ噴火を調べたらなんと、本当にそれが起こったら、今の人類ほぼ全滅。(絶滅ではないらしい)
そして地図を開いてよく見ると、死都日本に描かれている通りの、過去のカルデラ噴火の痕が日本のあちこちに。
そう言えば九州、あちこちに深い深い火山灰層が有るんですが、改めて考えると、実は恐ろしい事実に突き当たります。
地球は過去何度も何度もカルデラ噴火を繰り返していたという事に。
もし、お時間許すのであれば、「トバ・カタストロフィ理論」と検索してみてください。
これもまた、真実なのです。
☆死都 日本
西暦20××年1月6日午後11時37分、宮崎県日南市沖20kmの海底を震源とするマグニチュード7.2の地震が起こった。
宮崎県沿岸部に出された津波警報。
そしてその翌日から、宮崎県と鹿児島県の県境にある霧島火山帯で群発地震が起こるようになった。
その霧島火山帯はかつて、世界的な破滅をもたらしたジョウゴ型カルデラ噴火の姶良火山の名残りでもあった。
おおよそこんな始まり。
(余談ながら今日は、2021年1月6日、今、午後9時47分(◎_◎;)おおお!)
古い本なので書店には売られていないんですけど、読み始めたらもう止まらないくらいのテンポの良さ。
本当に怖いのは、東日本大震災の51日前に、新燃岳が大噴火したというニュースを覚えています。
(検索したら、こういうのも引っかかりました。)
※西日本新聞「新燃岳噴火後に大地震?」
この新燃岳も、霧島火山帯を形成する活火山の一つです。
面白かったし、怖かったし、勉強にもなりました。
もしお読みになれる機会が有ったら、是非とオススメします。
一つ難点を言うと、アメリカ人!
アメリカ側の対応が出てくるのですが、アメリカ人の老学者の話ことばが全部「~~ですじゃ」とか、「~~と思いますわい」とか。
どこの国の爺さんだ!!!!!
と叫びだしたくなるのです。
そのアメリカ人老学者さんは、良い事たくさん言ってるんですが、話し言葉が全部その調子。
全部カタカナで良いと思うのですわい。
あ、移った(◎_◎;)
困ったですじゃ!
あ、どうしよ(◎_◎;)
ってなわけで、おしまい。
タイトル「死都日本」
石黒耀 著
全520ページ。
講談社から2002年9月に発行されていました。
当時の定価が2300円+税
この本を私、古本屋で500円で買いました。