日高晤郎ショー・みとせの流行り歌1998年　その2

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☆　日高晤郎ショーの1コーナー「みとせの流行り歌」十七回目の記録

それから。
遂に橋が壊れてしまって架からないってのもこの年にあった。
何かって言うと、若乃花貴乃花が揃って兄弟横綱になった。

で、この二人の橋は食い違っちゃったでしょ。
まぁこれに関してはね、ラジオって媒体がハッキリお客様に迎合しない。
俺は俺の意見を言うぞって自分の中で区分けっできた事件でもあったんですね。

ニッポン放送で、西村さんはご存知でしょうけど。
東京でね、親があの通り内側をペラペラしゃべってるんですよ。
その後隠しまくって逃げまくるっていう。
女房は女房で出てきて浮気をしたんだとか兄弟仲悪いとか全部バラしといてさ。
親がバカなら子だってバカだろしょうがねぇだろって言ったら、凄いんだ抗議が。

あの頃はFAXだからバッカバカきて壊れちまって。
それ以降ニッポン放送は私を使おうとしませんからね（スタジオ爆笑）
大笑いでしたよ、橋架けそこなった。

そんな事よりも平成10年は私にとって、凄く重い二つの大きな。
巨星落つて言い方がありますよね。
一人はフランク・シナトラ。
82歳享年。

ビング・クロスビーに言われたそうですよ。
「お前は可愛そうなときに出てきたな」
フランク・シナトラがですよ。

何故ならアメリカでは俺がナンバーワンだ。
俺が生きてる限り、お前はずっとナンバーツーだよって。
でもナンバーワンになりました、そこが不屈のフランク・シナトラ。

ビング・クロスビーも確かに、鼻に掛るクロスビー唱法があるんですがね。
でもシナトラは二度とそういうことは口にしませんでした、俺がナンバーワンと。

言った事はサミー・デイヴィス・ジュニアに。
サミー・デイヴィス・ジュニアは片目が義眼でしょ。
で、ずーっとアイパッチってのを掛けていて、アイパッチに凝っていたんですよ、色んな星を付けてみたり。

そしたらね、シナトラが、俺の仲間にならないか？って。
お前は凄い才能が有る、しかし言っとくけどそのアイパッチは取れって言うんです。

お前ね、それをしている限り歌は上手い、物真似も上手い、それと片方の目をそうやってアイパッチで目立とうとしている黒人のチビにしか見えない。お前は歌手として出るんだったら有りのままを見てもらえ。

僕は凄い事だと思います。
相手の負を負として認めろ、それがお前にとってそんなに大きな負じゃないだろ？
それをハッキリ見届けてもらえって言うんですよ。

それをのちにサミー・デイヴィス・ジュニアが、俺はユダヤ系のニグロで片目が義眼で鼻の曲がったチビの俺が、今ここに居て夢をもって希望をもって歩いて行けるのは何かって言ったら、俺は今最低のとこだから毎日が登り坂だって。

凄いですよ。

こういう系譜があるんです。

そしてもう一つが、黒澤明が亡くなりました。
享年88。
誰が何と言ったって黒澤は日本の、世界の監督ですよ。
これだけ模倣された監督は居ませんもの。

いわゆる、イタリアではマカロニウエスタンって言うけど、黒澤明の用心棒が無かったら成り立たなかったでしょう。
評価されたものと評価されないものがあるけど、晩年は可愛そうだった。
変な思想を入れちゃったから。
あの人は思想は無いですからね。
映画芸術屋ですからね。
思想的な映画は丸っきり駄目でした。
屑でしたね、フィルムの無駄遣い。