十勝おはぎ。
毎回春と秋のお彼岸に、第一スタジオに差し入れして下さっていたおはぎの美味しさを、今も覚えてる。創業者の野村とみさんが、北の出会いで紹介された時は胸の奥が熱くなったものだ。
私は野村さんの生前からこの店が好きで、たまに立ち寄っていた。
本店に設けられた食堂での食事も楽しみのひとつ。
そのカウンターの向こうで元気に働いてらっしゃる野村さんと、二度ほどおしゃべりしたことがある。
晤郎さんの事が本当に好きだと仰るあの笑顔、たまらなく可愛らしかった。
あの時いただいたおはぎの味は、格別だった事も覚えてる。
そして2015年、経営は石屋製菓に引き継がれて現在に至る。
2019年11月16日土曜日、本店に久々に伺った。
そこで昼御飯。
その折、昔からの従業員の方にお話を伺った。
その方によると、野村さんは2年前に市内で、その生涯を静かに閉じられたとの事だった。
本店向かって右奥には、当時の野村さんの社長室だった部屋が残されている。
もう一度だけでも、お会いしたかったなと思う。
従業員の方に許可を頂いて、その社長室だった所のドアを撮らせて頂いた。
手を合わせる気持ちで、つぶあんとこしあんのおはぎを頂いた。
やはり今でも、懐かしい味がした。