私の「外郎売」に、出会うための旅Part3
< 私の「外郎売」に、出会うための旅Part2より続く。
☆歌舞伎座へ
更に東京歌舞伎座での二月大歌舞伎演目「春駒祝高麗」。
勿論、曽我物。
いやあ歌舞伎座、楽しい!!
もう私なんぞ、一発ではまった!!
弁当買って、食べながら鑑賞できるんですよ。
あ、ご存じでした (;^_^A
そう、幕の内弁当とかですね。
天井桟敷の言葉の意味も分かったし、
☆曽我兄弟と春駒売と外郎売と。
春駒祝高麗の大筋は、こうです。
初春の工藤祐経の館。
そこに乗り込んだ曽我兄弟。
春駒売りに変装して、にぎやかに舞を舞う。
仇敵を前にして血気さかんな弟・五郎は、今この時を逃してなるかと打って出ようとするが、、、
しかし工藤祐経はすでに春駒売の正体を見破っており、いずれ討たれる覚悟の下、この祝いの酒宴に興じる。
さてこの春駒売り。
いやいやここは、外郎売りでしょうと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
そのちょっと説明、、、というか、私の想像(おいおいおい、想像かい!!って突っ込んでもらっても構いません(‘ω’)ノ)
春駒とは、張り子で作った馬の頭。
車輪を付けて、子供がまたがって遊ぶおもちゃのこと。
また、正月に春駒にまたがって歌い踊り金銭を受け取る芸人の事も指した。
江戸時代には物乞いの芸としても広まったが、元々は平安時代の宮中行事。
それとは別に、春駒。
鹿児島方面の郷土菓子も、そう呼ばれる。
形は円柱状。
長さ10cm程度。
そのお菓子の春駒。
食感は、ういろうに似ているという。
もうお分かりですね。
おそらくこの場面。
元来は、外郎売り。
しかし派生として、初春歌舞伎の演目として、外郎売りを春駒売りに換骨奪胎。
薬のういろうには、お菓子のういろうもあり。
玩具の春駒には、お菓子のういろうに似た春駒もある。
江戸時代の言葉遊び。
この感覚が、口上外郎売には随所に散りばめられています。
さすが歌舞伎。
口上外郎売りをかじっていると、半歩先が見えてくる気がしています。
言葉を大切にされた日高晤郎さんが、歌舞伎に精通されていた理由の一つも、なんとなく分かった気がした初・歌舞伎座の一日でした。