正月読書2023~真夜中の密室

☆リンカーン・ライム・シリーズ

ジェフリー・ディーヴァーのライム最新作、真夜中の密室。
今回は、あのウォッチメイカーを連想させるロック・スミスとの対決。
と、まぁ本の帯ではそう匂わせるような書き方

をされてますが、上手いですね。
実はそう簡単な構造ではない。

政治と警察を抱き込んだ、とある殺人事件の裁判が行われているのですが、その裁判の真っただ中に置かれている一人が、なんと主人公のリンカーン・ライムその人。
その裁判の過程で、ライムはこれまで協力関係にあったニューヨーク警察組織からの関係遮断を言い渡され、以降、捜査に立ち入るようなことがあれば逮捕されるという状況になる。
そんな裁判の当事者たちの思惑を絡めつつ、一方。
一人暮らしの女性の就寝中に部屋に忍び込んで、その女性に一切触れることなく一部家具の配置を変え下着一枚と包丁1本だけ盗んで去る「ロック・スミス」事件が勃発する。

解鍵師(ロック・スミス)と呼ばれるこの犯人はあらゆる錠前を短時間で開錠し、また施錠をして去る。
つまり犯行現場は真夜中の密室であるという状態。
また犯行現場に必ずタブロイド新聞が持ち込まれており、そこに被害者の口紅で「因果応報」と書かれている。
さてその犯人の本当の狙いは。

また、一切の捜査を禁じられたライムはどうなるのか。
お馴染みのライム周辺の仲間たちのロックスミス事件への捜査。
そしてそこにライムが関与していないかという警察関係の監視。
ロックスミス事件が、微細証拠物件捜査の匠であるライムの捜査意欲を刺激しないはずもなく、、、という、まぁ今回も上質。

当然、晤郎さんが愛したジェフリー・ディーヴァー作品です。
読者との間に信頼関係もある。
これらがまた全て絡んでくるんだという高揚感の中、流れるように読み進めさせてくれます。

私も犯人や背景を予測しながら読み進めていたのですが、途中何度も唸らされました、、そうくるか、、、と。
未読の方是非にとお薦め。

リンカーン・ライム最新作
真夜中の密室
文藝春秋社から出て定価2860円です。
などと、晤郎さんの私の本棚風に紹介してみました。
真夜中の密室

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