隠れキリシタン
☆長崎に向かって
博多駅から長崎駅へ。
都市間高速バスで移動。
運転手さんは、アナウンスがとても穏やかな口調でにこやか。しかし、声が小さくて良く聞き取れない。更には話がくどい。分かりました、忘れ物はしません!シートベルトはします!チケットは表面をちゃんと運転手さんに向けます!
しかも、だ。
ブレーキングがきつい。ちょっとハンドリングが荒い。
けれど、だ。
アナウンスがとても穏やかで、にこやかで、親切なのだ。
こちらがどんなに車酔いしそうになっても、どうにも許せちゃうし、運転が荒いと言っても、危険な感じではない。
この場合、地獄に仏ではなく、地獄の仏とでも言おうか。
そんな戦いとも言えない戦いを重ねて、ちょっと吐き気を催しながら車窓にカメラを向けた。
隠れキリシタンの歴史を秘めた大村湾が見えてきた。
静かに静かに、夕陽が落ちようとしていた。