正月読書2024~ハンティング・タイム
☆コルター・ショウシリーズ
昨年の正月読書~ファイナル・ツイストで、第一期が終わった懸賞金ハンター、コルター・ショウシリーズの、第二期最初の作品。
作品の背景は、前作ファイナル・ツイストから3年ほど経ったアメリカのフェリントン市。
妻への殺人未遂で投獄されていた元刑事ジョンが、服役期間の途中で突如釈放された。
それを知った元妻は、一人娘を連れて失踪。
同時期。
コルター・ショウは、元FBIのトム・ペッパー(リンカーン・ライムシリーズでもお馴染み)から依頼されたハーモン・エナジー・プロダクツ内の企業スパイを捜索していた。
そこで開発している小型原子炉「ポケット・サン」。
その盗用対策装置SITの部品が企業内の誰かによって、ひそかに社外に持ち出されているという。
SIT開発者は、夫から逃れるために逃走を始めたジョンの元妻アリソン。
アリソンを追う、ジョンとジョンとの関係が深い犯罪組織からおくりこまれた二人組の殺し屋。
そして会社の依頼を受け、アリソン母子保護のために追跡を始めるコルター。
昨年も書きましたが、やはりこのコルターショウシリーズは、爽快ですね。
犯罪の解明もだけれど、誰かを守るというコルターが実に清々しい。
もちろん、ハラハラドキドキします。
二転三転は当たり前。
だけれど、実に爽快。
リンカーンライムは、頭脳明晰で冷静に犯人像を解き明かしていくのが醍醐味なら、キャサリーン・ダンスは人の行動・言葉・表情で嘘を暴いて犯罪者を追い詰める駆け引きの妙味。
だとすると、このコルター・ショウは父を敬愛するサバイバリスト。しかも優しい。
読んでて時折、胸が熱くなります。
あ、そうそう。
ジョンとアリソンの反抗期を迎えた一人娘ハンナ。
本当はとてもイイ子だと思いました。
お薦めの一冊です。
文藝春秋:刊
ジェフリー・ディーヴァ:著
ハンティング・タイム
定価2800円