水木しげる 百鬼夜行展in札幌

昨日の朝方2時、つまり今から30時間前。
暑さに弱い私は寝苦しさに叩き起こされ、普段はけしてやらない行動を取りました。
それが、真夜中のスマホ。
< 田付美帆さんに感謝!!
そこで偶然に知ったのが、現在札幌芸術の森で行われている、「水木しげる 百鬼夜行展」!
田付美帆さんに感謝であります。
皆さま、田付美帆さんのインスタグラムをフォローしてね♪
田付美帆さんのInstagram
田付美帆さんと、百鬼夜行展

ところで。
何を隠そう、私の人生で、私自身が買った初めての本。

これが、水木しげるさんのゲゲゲの鬼太郎だったんです。
衝撃でしたね、あれはお年玉だったか。
自分のお金で、本が買えるだなんて。
なので本が擦り切れるまで読んだあの鬼太郎は、私にとって格別なんです。

そんな鬼太郎(テレビ版では白黒の第一期)水木しげるさんの作品展が札幌で行われてるだなんて。
水木しげるの妖怪 百鬼夜行展

もう全ての予定を全部キャンセルして、開場前には芸術の森美術館前で沢山のトンボと戯れておりました。
何故なら、6月29日から行われていた百鬼夜行展も明日まで(つまり今日まで)と知ったからです。
赤とんぼ

それにしても、私はあんな時間に起きて、しかもスマホをひらいて、更に月に1度見るか見ないかのInstagramのボタンを押して、たまたまそこに最初に表示されたのが田付美帆さんの投稿で、その内容が百鬼夜行展だったのだろうと不思議な気分。
もしかしてもしかして。
これが、水木しげるさんの仰る妖怪の仕業なのかも、、、と思った次第です。

百鬼夜行展なんて言うと、妖怪たちを描いた作品だけがずらりと並んでいる、、、イメージをされる方もいらっしゃるでしょうが、それだけではありません。
もちろん、表面だけ見ると、妖怪図鑑みたいに作品が並んでいるだけでしょうけれど。
本当に水木さんの描く世界観が好きな人たちにとっては、そうではないんですね。
ちなみにこの写真は、売店で買った紙袋。
描かれているのは、かの有名な「がしゃどくろ」
水木しげるの百鬼夜行展と、田付美帆さん

今みたいに、夜が電気で赤々と照らされていなかった時代。
夜の暗闇には、人智を超えた何かが潜んでいたのでしょう。
きっとこういうものが潜んでいるなと人々が感じ、それを言葉や言い伝えにしてきたものの一つが妖怪ということです。
そして言葉や口伝だけでは良くないという事で、江戸時代の絵師たちが描いた妖怪画というのも出て来ていた。

こういう世界が確かに、昭和の半ばまでは色濃く遺っていたんです。
つまりその頃は、江戸時代の風情が漂う明治初期に生まれ育った人たちが生きていた時代でしたから。
私の祖母も、野良猫がそこで暮らしているとでもいうかのように、妖怪について話してくれていました。
ああそうなんだ、水木さんもそうだったんだと知った作品がこちら。
もちろん、記念に買いました。
水木しげるの妖怪 百鬼夜行展

百鬼夜行というのは、様々な妖怪たちが集まって行列を作って、夜の大通りを練り歩くもの。
確か、平安時代に平安京あたりで言われ始めた言葉ではなかったかなと記憶しています。
ジブリ作品の、平成狸合戦ぽんぽこでも、クライマックスは妖怪に化けたたぬきたちが通りを練り歩いていく様子が描かれていますが、あれが百鬼夜行と呼ばれるものです。

話芸でもなんでも。
伝承される文化というものは、下手をすると時代に打ち消されて途絶えたりするものです。
だから、意識して伝承していかなければならないんです。

まさに水木しげるさんがそうだったんですね。
平安から明治にかけて育った妖怪(自然観)文化。
それを、細かい点と線で描く独自の背景画を加えて、妖怪というものを世間に知らしめた。
これらを、これからもずっと伝承され続けるために描き続けられていたんだと気づかされたんです。

そう言う思いが嬉しくて、物販ブースで「のんのんばあとオレ」以外にも本を買いました。
まず、河童の三平
水木しげるの妖怪 百鬼夜行展
そして、ゲゲゲの鬼太郎妖怪ファイル
これはタイトルにゲゲゲの鬼太郎とありますが、販売するための出版社側の策略です。
何故なら、全247ページ中鬼太郎シリーズ関連は8ページのみ。
中身の大部分は、民俗学的な妖怪の分類が描かれています。
当然、客寄せ的に使われているゲゲゲの鬼太郎には惑わされずに買いました♪
水木しげるの妖怪 百鬼夜行展

あとは、今回の展覧会の図録ですね。
これは絶対に買わねばと思いました。
内容充実。
水木さんの人生や、作品を創る時の技術や思いが綴られていて、大変良いです。
文化人年表なんて、民俗学の補助資料として手元に置いておきたいと思いました。
水木しげるの妖怪 百鬼夜行展

展示してある水木さんの言葉が、幾つも胸に刺さったのですが。
こういうのもありました。
水木さんが妖怪画を描く理由です。

「すなわち、それは『感じ』なのだ。
『感じ』ということになれば、『形』の上に更に『色』が付けば、かなり感じやすくなる。」

それと会場出口付近にあったこの言葉。

「日本は、電気が普及して日本中明るくなりすぎたのに加え、世の中全体が百鬼夜行の様相になったのに怯え、本物の妖怪たちが姿を消しつつある。」

素晴らしい展覧会でした。
それもいよいよ本日までです。
お近くの方は是非とおススメです。
水木しげるの妖怪 百鬼夜行展

あ、そうそう、余談ながら。
会場内にある「ぬりかべ」だけは撮影可能。
こちらは気づいていない方もいらっしゃいましたが、目がたまに動きます♪
それと。
「ぬ~り~か~べ~」だなんて超間抜けなしゃべりをするのは、アニメの3シリーズ目からのアニメ制作者側からの媚び売りにすぎません。
鬼太郎は、水木さんの初期の作品が良いです。
水木しげるの妖怪 百鬼夜行展

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