瀬川瑛子:命くれない
☆日高晤郎ショーの一場面
1987年の日高晤郎ショーだったと記憶している。
いつも通りのメニューを、いつも以上の元気で送る晤郎さん。
あの時の晤郎さんの話は衝撃だった。
記憶を基に再現してみる。
♬
「ディナーショーが近づいてくると、体も心も興奮しているんでしょうか、中々眠れない。
少しは眠っておかないと、とは思うんですがこれが駄目。
意識すればするほど、目が冴えて来るんですね。
それでもういっそ寝ないで酒でもと気持ちを切り替える。
まずシャワーを浴びます。
少々熱め。
この熱めって言うのが大事なんですね。
普通、目を覚めさせるには冷たいシャワーとお思いでしょうが、全く逆なんです。
シャワーは首筋に10秒ほど。
勿論、熱めと言っても心地よいぐらいの温度ですよ。
そうすると、自律神経が活性化するんですね。
リンパの循環も活発になります。
ここで大切なのは、睡眠に関することを考えない事。
内臓も動き出すのが分かるんです。
それでシャワーを済ませたら冷やして置いたビール。
これがまた旨い。
さぁそうして、ここまできたらワインと日本酒も、と止まりません。
当然、アテは、とこうなるでしょ。
ホテルの部屋の冷蔵庫には、頂き物が沢山あるんです。
もう止まらない。
それで深酒。
少しウトウトと始めたころにはもう、空が白み始めてる。
こんな事を続けていたら、それは体に来ますよね。
昨夜、スタッフとの打ち合わせを終えて、ホテルに戻ったらどうも体調が優れない。
暴食と言うわけでもなかったんですが、胃の辺りが苦しい。
あ、これはいかんなと、洗面台に向かったんです。
額からは脂汗。
寒気もしました。
洗面台の鏡に写る自分の顔をみたら蒼白。
そして急にこみ上げてきたと思ったら、洗面台に吐血してました。
綺麗な赤でした。
胃の血、紅。
命くれない
瀬川瑛子 」
むまれむ~
むわえかっろぁ~
と瀬川さんの歌が流れ始めた時、無茶苦茶ずっこけていた自分。
こんな小さなことだけれど、忘れられない晤郎ショーの一場面。