金曜ロードショーの感想を頂きましたので
☆ゴジラ-1.0をご覧になって
一昨日、金曜ロードショーでノーカット放送された話題作「ゴジラ-1.0」
一通だけですが、作品をご覧になっての感想を頂きました。
その内容は、おおよそ以下。
「ゴジラ-1.0、みました。
戦後の日本がうまく描かれていて、当時の食糧不足も悲惨過ぎないように上手に描かれていて、あっという間に作品の世界に引き込まれましたよ。
これまで怪獣映画というのを見たことはなかったのですが、ゴジラ、とても怖いと感じられました。
でもちょっと残念に感じたこともあります。
それは作品の終わりに登場してきた妙な戦闘機と、女性主人公の生還です。
そこだけが強引な気がしました。
でも全体は素晴らしい映画でしたね。
きっとこの作品を映画館で見たら、もっと凄かったんだろうなと感じました。」
嬉しいです、感想いただけて。
そう、全体がもう怪獣映画という感じだけではなかったですよね。
私も大好きな作品です、はい。
もう好きすぎてブルーレイも買いました、衝動買いです♪
ところで、妙な戦闘機、そして女性主人公の生還についてですが。
はい。
私も映画館で初めて見た時は、そこ、??????でした。
なので観終わった後調べたんですが、それがまた面白かったのでここでお伝えしておきますね。
インターネット上ではもう既に色々発表されていますので、全然目新しくないのですが、中にはまだご存じない方もいらっしゃると思いましたので、簡単に。
この二点の見方が変わるだけでも、一層作品の見方が変わってくると思いますので。
☆妙な戦闘機について
終盤、主人公が乗る戦闘機の震電(しんでん)ですが、これは実在した日本の戦闘機です。
プロペラが本体の最後尾についている異形の機でした。
開発目的は、第二次世界大戦中に活躍していた零戦とは別系統の画期的な戦闘機を作り、戦局を優位にすること。
1945年6月に試作機完成。
しかしその二ヶ月後に日本の敗戦。
故障個所の修理部品到着を待つ間に終戦を迎えた幻の戦闘機だったのだそうです。
なのでけして、あれは強引に登場した珍妙な戦闘機ではないという訳です。
つまり実戦で一度も戦うことができなかった、実在した日本の幻の戦闘機が、あの映画で登場した震電だったのです。
それが終戦後、強大なゴジラに立ち向かうという展開は、実際の対戦を知らない私にも胸が熱くなる展開でした。
ちなみに私。
61歳で初めてプラモデル作りに挑戦しました。
手先が不器用なので、これはもう一人では無理と嫁さんに協力してもらって。
その人生初のプラモデルが、震電です。
実際に飛行機を作っている知り合いがおりまして。
その方が言うには、プラモデルとかペーパークラフトはバカにできないと言います。
実際にその模型を作ると、構造や設計理念が分かるというのです。
どれどれそれならと、作ってみた震電。
しかしまぁ素人ですので、詳しい事は分かりません。
しかし、内部の絶妙なバランスは見ているだけでは本当に分からなかったでしょうね。
人生初の夫婦共同作業で作った震電は、めんどくさかったので色付けはしておりません。
☆女主人公の生還
あんな吹っ飛ばされ方をして、まず生きているわけがありません。
しかし、砲弾で頬を吹っ飛ばされようが、すぐに再生してしまうゴジラの肉片がわずかでもあの爆風に紛れこんでいたらどうでしょう?
これは病室での典子(女主人公)のうなじに蠢く黒い影で、そうなったという事が暗に示されています。
このことはもうインターネット上でもとうに取り上げられているのですが、今回のテレビ放送が初回という方にはまったく伝わっていない情報です。
なので一層、典子の生存がご都合主義に思えてきますよね。
これが問題の、生還した典子の首で蠢く影です。(生きている痣とも言われています。)
つまりラストシーンでの彼女は、典子であって典子ではない、、、怖いし、哀しいですよね。
そしてこの後の展開が気になりますが、それについては一切描かれておらず、観客に不気味な余韻を残しているのも凄いと思います。
☆おまけ、初代ゴジラへの思慕
ちなみに典子の包帯ですが、爆風の影響か、右目辺りに大きな怪我を負っているのが分かります。
これは1954年のゴジラ第一作で、ゴジラを完全抹殺した兵器オキシジェン・デストロイヤーを開発した芹沢博士の眼帯のイメージでしょう。
その後、ゴジラ映画はシリーズ化されましたが、ゴジラ自体が完全に抹殺されたのは、この第一作目だけです。
研究過程で偶然にオキシジェン・デストロイヤーを開発してしまった芹沢博士は、これが軍事転用されると原水爆より強烈な兵器となると知り、研究自体を封印してしまします。
しかし、ゴジラに破壊された東京を見て使用を決意。
但し、軍事転用を恐れ、これまでの研究資料を焼却します。
そして芹沢博士自身は自身の知識も葬り去るため、海中のゴジラと共にオキシジェン・デストロイヤーで跡形もなく分解されてしまうのです。
この海中の泡の中で死んだ初代ゴジラへのオマージュ(敬意)が、ゴジラ-1.0の中で描かれたワダツミ作戦だという事です。