九十歳の晤郎さん?
☆古今亭志ん生さんの一枚の写真
「八十歳入ってからやっと、私の語りをご披露できる。」
「その歳になって初めて、日高晤郎の話芸は面白くなるんです。」
晤郎さんは良く、そう仰っていました。
観たかったなぁ。
多くのお客さんが、きっとその時を楽しみにしてたはずでした。
なのに晤郎さんは、約束より六年も早く旅立たれました。
いや、十年以上早かったですよね。
もっともっと観ていたかったです。
今でもそういう思いはあります。
晤郎さんが八十九十になって、より味わい深い話芸を水を飲むように、息をするように、実にさらりと言葉を紡ぐ風景を夢想することもあります。
それで昨日、驚いた。
驚いてしまったんです。
名人・古今亭志ん生さん。
正確には、五代目古今亭志ん生さん。
この瞬間の写真。
九十歳の日高晤郎さんに見えませんか?
私にはそう見えて、嬉しかった。
ええ、ええ、今日はとても小さな話ですね。