旭山動物園での事件に思う
☆旭山動物園職員による事件
ここ最近、耳を疑うような事件がまた起こりました。
旭山動物園の30代の職員が、自分の奥様を園内の動物用焼却炉で焼却したという、もうどうしようもないと言っていい事件です。
園内にある動物用焼却炉というのは、病などで亡くなった大型動物などの死因解明のために解剖したあとに焼却する所で、完全に骨まで燃やし尽くすために最高温度が1000℃以上になる炉なのだそうです。
当該職員は、以前に奥様に対し「跡形も残らないように燃やし尽くしてやる」と脅していたとも伝わっています。
二人に何があったのかはまだ何も伝わっていないですが、どうであったにせよ、自分の職場で、多くの人たちが子供も含めて、自然体で暮らしている動物達に会いに来る場所で、今後ずっと壮絶な事件があったと暗い影を落とすようなことをこの職員はやったわけです。
どれほどの笑顔と、感動と、癒しと、思い出とを。
この場所から頂いた入園客がどれぐらい居たでしょう。
そういう方たちにも、そしてこれから足を運ぼうとする人たちにも、この事件がどういう嫌な影を落とすか、この職員は考えもせずに、憎しみなのか怒りなのか分かりませんが許されない事をやったわけです。
同時に、ご遺体を園内に搬入したわけですから、どう考えても閉園後、他の職員が帰宅した後でしょう。
という事は、もしかすると、これは仕方のないことかもしれませんが、園側の施設の管理体制も問われることになるのかもしれません。
誰もが不在になる夜に、焼却炉が稼働してもチェックできない体制だったのだという事でしょうから。

昨日、私が定期検診に通ってる病院の待合室のテレビで、この事件が報道されていました。
それを見ていた70代後半のおばあちゃんが、割合大きな声で、「こんな気持ち悪い所、もう二度と行かない!」と何度もテレビに向かって怒っていました。
悲しいのは、そこから少し離れた席に居た親子です。
子供さんは4歳ぐらい、女の子でした。
その子はお母さんに向かって、「ねぇ、旭山動物園、気持ち悪いとこなの?ねぇ??」と。
お母さんは明らかに狼狽えてらっしゃいました。
するとその子は更にこう言っていました。
「またお休みのときに行くよね、気持ち悪いのなんで?」
おばあさんはそれを聞いて静かになりましたが、女の子はどうしても理由が知りたい。
大好きな場所が、どうして気持ち悪い場所なのかと。
救いだったのは、その女の子の前に座っていた女性が、困り果てたお母さんをみて、こういってくれた事です。
「動物は皆かわいいよね。沢山動物居るけど、何が好きかな?」
すると女の子は、元気な声で「ペンギンさん!」と答えて笑顔。
本当に、そのお姉さんに、お母さんだけでなく、そこに居た患者さんの多くが救われたと言った感じになりました。
もういい加減、病院の待合室で低俗なワイドショー流すの止めませんか。
そう思います。
とにかく。
これから事件の内容は明らかにされていくでしょうけれど、どういう理由があったにせよ犯人がやったことは許されません。
犯人の30代の旭山動物園職員。
もう本当に、これまでの職員さんたちが頑張って築いてきた旭山動物園になんてことをやったのでしょう、この愚か者は。
☆小菅正夫さん「命のメッセージ」
2005年8月に、竹書房から出版された、タイトルが「命のメッセージ」という本があります。
これは当時、旭山動物園園長だった小菅正夫さんの語りを、一冊の本にまとめたものです。
動物園を通して、命や、生きる意味や、人類の在り方さえも語られている素晴らしい一冊。
ふと昨日の事がありましたので、あの女の子にも、そのお母さんにも読んでいただきたいなぁと、久々に本棚から引っ張り出してきました。

もちろん私が、その女の子の名前もなにも知ってるわけではありませんが、あの叫んだおばあさんにも伝えたい。
この本にあるように、旭山動物園は強い思いでああいうふうに生まれ変わった動物園なんですと。
そこに居る動物達や、多くの職員さんたちには罪は無いですよと。
日高晤郎さんとご縁のあった小菅園長のいらした動物園でのおぞましい事件。
空の上から、晤郎さんはどういう思いで見ておられるのでしょうか。
今日は少し時間を取って、一時間もあれば楽に読める本ですから、「命のメッセージ」に浸ってみる事にします。
最後に、命のメッセージより、一文を抜粋しておきます。
「動物が凄いと思うのは、命ある限り、命だけを見て生きているという事です。
人間には到底できない事を、動物は平気でやっているのです。」
旭山動物園園長(当時) 小菅正夫
