芸談~骨を覚えろ

☆三遊亭圓生 著「浮き世に言い忘れたこと」より

最近はどうも、晤郎さんをきっかけに色んな枝葉が萌出て、あれやこれやと首を突っ込んでいるようなもんで。
自分でも可笑しいぐらいに本屋なんかを買い漁ってる感じがしています。
枝葉なんですが、それはそれで段々と立派なものになりつつあるんですね。
それでも全ての元は日高晤郎さん。

さて、やはりやるからには中途半端はよろしくない。
これがまだ四十代だったらこうは行かなかったかもしれませんが、今はもう「これまで」より「これから」の方が短いだろうと予測はつく訳なんです。

じゃあもういっそ、やるからには自分なりにちゃんとやろうという肚もくくれるわけで。

三遊亭圓生さん。
六代目三遊亭圓生さんですが。
その著書の一つに、浮き世に言い忘れたこと、というのがある。
その中の一節に、「骨を覚えろ」という単元があるんですね。
六代目三遊亭圓生 浮き世に言い忘れたこと

骨を覚えろ

『芸の奥義なんてものは、きいたって「こうだ」と教えてくれるものじゃない。
また教えられるものじゃありません。
あたくしは、師匠によく「骨を覚えろ」といわれたもんです。
これは年齢をとってくるとよくわかる言葉でしてね。

(中略)

人に教えるってことはなんですな、キチッと教えちゃいけませんな。
あくまでも「おのれで立ち、おのれで考える」・・・隙き間ってものを残しとかなきゃいけないようです。

われわれの世界でいう、間とか勘とかいうものは、これはもう自分の努力の積み重ねでおぼえるしかありません。

芸だけでなく、だいたいの骨子というものを教える、教えていただく。
その上で工夫は各自がこらす。
習字と同じことですね。
楷書をしっかりたたきこんでおけば、行書、草書も楽に書けるようになってくるということですね。』
六代目三遊亭圓生 浮き世に言い忘れたこと

この文章を陽が落ちてからずいぶん読み返しているんです。
骨で覚えろ、、、か。
もっともっと頑張らなきゃなと思います。

私事ですが、本日朝。
私の師匠のお一人が永い眠りにつかれました。
そんな知らせが奥様より、今夕届きました。

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