2008年のクリスマスディナーショー
☆2次会での思い出
晤郎さんのディナーショーでの思い出は尽きない。
たまに写真を掘り起こしては、見返してる。
この年、常連さんたちの前日からの席取りは、ミカンだったっけ。
誰も座ってないのに、ミカンだけが椅子に座ってる風景。
あの鮮烈さは、今でも忘れられないなぁ。
ところでこの年の二次会。
書家の若山先生が特別に書を書いて下さるコーナーがあった。
書の先生に、自分だけの作品を書いて頂けるだなんて、二度とない機会。
たしか、晤郎さんのディナーショー二次会という事で、特別も特別、1作品1000円だったと記憶している。
普通は、1000円で作品頂けるだなんてないですからね。
迷わず私も書いてくださいの列に並びました。
並んで、ふと迷った。
何を書いて頂こう、、、、?
☆先生は、「気」を読んで仕上げる
若山先生は、依頼してきた人の手をじっと握って、その人の「気」を読んで書に記す。
「わぁ、、、書いて頂こうと列に加わったはいいが、何を書いてもらおう、、、元気とか、勇気とかはつまらんし。」
「なんかこう、本当に作品として書いてほしい文字って何だろう?、、、自分の名前?いやそれもつまらん、、」
「あ、山紫水明っていいな、、、、まて、それがどうした。その所が本当に欲しいのかお前(私の事)」
そうこう悩んでいる内に、私の前の常連さんの番。
「おおおおおお、じっと手を握って読んでおられる、、、」
☆私の大事な文字が決まった
先生の気迫が凄かった。
いい加減な文字は頼めない雰囲気だった。
だからと言って、「沈思黙考」とか、自分の好きな言葉をお願いするのもつまらんと思った。
サラサラサラ。
先生が私の前の常連さんの作品を仕上げている。
その時、不意に、私の魂のパートナーの顔が浮かんだ。
ああ、そうだ。この言葉が欲しい。
先生は遂に、私の欲しい言葉を尋ねて、じっと私の手を握った。
どうして、その名前ではなく、その種を書いてもらったのかは明白だ。
万人に共通のイメージで、先生に書いてほしかったからだ。
書いて頂いた後、別の常連さんたちが私の色紙をのぞいて、「あ、笑ってる」と笑顔になった。
そう。
私が頂いた書は、笑っていた。
しあわせそうに。
若山象風先生は、とても素晴らしい書に時間を添えて下さったのだ。
この書をいただいた10ヶ月後。
17年連れ添った私の最愛のパートナーは、天に召された。
この書を見るとき、色んなことを今でも思い出す。
2008年日高晤郎クリスマスディナーショー二次会での、ちょっと不思議な思い出。