今夜はちょっと「シン・ゴジラ」の話Part4

Part3からの続き

☆晤郎さんは、シン・ゴジラをどう語ったか~第二部

【晤郎さん】
この映画観てごらんなさい。
石原さとみは、映画で充分通用します。
この映画の中で、テンポも含めて得してる俳優が二人だけいるんです。

もう一人は、途中で総理大臣になる平泉成。
これ、別に上手いわけではない。
あの、大映のこいつ後輩だから。
京都のホテルに勤めていたのを、市川雷蔵先生が「君、面白いから映画の世界に入ったらどう?」って言って、大映ニューフェイスの私の一期後輩なんですよ。
シン・ゴジラでは、全部、平泉のテンポでやってるです。
それともう一人、石原さとみ。

これね、監督の長谷川何某はね
(※ここも晤郎さんの勘違いで、総監督は庵野秀明氏。監督・特撮技術監督が樋口真嗣氏。)
石原さとみに惚れてますね。けっこう長いシーンとかでね
(第一スタジオのお客さんに対して)
ちょっとばあさん、唇拭いてる場合じゃないの。俺、今一番大事なとこだからね。おかしいでしょ、ばあさんが唇拭いて。その口で何しようとしてるの?国会議事堂に、火でも吐こうとしてるの?油断のならねぇばばあだな、気を付けろ、おっかしいなあいつ。しかも笑って、歯があるんだよ、この間、歯取って拭いてたぞ。
ともかくね、この二人だけ、自分のペースでしゃべっていいって絶対言われてます。
国会議事堂
だから、石原さとみは色んなドラマとかに出てきたりする中で、圧倒的に映画俳優やってる。
これは平泉も敵いません。
でもこの二人は得してます。
抜きん出て、石原さとみが凄いです。
これ今度ね、石原さとみを観るために観てください。

それと、英語が達者というのは、ここで武器になっています。
彼女だけ、ゴジラの発音が違う。
ガッディラ!、、、日本語にしたら、合点だと言ってるようなものですから。
こんなもの、がらっぱちしか使いませんよ。


最後まで、ゴジラ自身には魅力を感じませんでした。
こいつが死なねえんだ。
最終的に、こいつが死んだかどうかは分からないんです。
そう言う映画です。

総勢328名のキャストが出演したという事に、私は何の意味も感じませんでした。
それと、東京はこれで立ち直ることができるというセリフ。
絶対に立ち直れません。
あんなに徹底的に破壊されては。

これは、石原さとみという女優を誕生させたという意味だけの映画だと私は思います。
シン・ゴジラ第四形態

☆晤郎さんが語ったシン・ゴジラを、再びさらに解説してみる

このシン・ゴジラでは、セリフのほとんどが、役所や政治家たちの慣例上の職務口調や、各分野の大量の専門用語で創り上げられている。
なので晤郎さんや、初回鑑賞の私が感じた、無機質で棒読みのへたくそなセリフなどは、実は物凄く忠実な官僚の姿だったのだ。
だから、大半が日本の官僚型政治の役柄。

その中で、年齢を問わず実力主義のアメリカ政治の特使としてのカヨコ・アン・パタースン(石原さとみ)が、鮮やかに個性的なのは必然。
また、突然の暫定内閣で危機的日本のかじ取りをしなければならなくなった里見裕介(平泉成)が、昼行燈的策士なのはこれまた転換点を示すためにも、私には必然だと思えるのだ。

ゴジラが死んだかどうかわからないと、晤郎さん。
そう、最終的にゴジラが死んだかどうかは不明。
つまりシン・ゴジラで描かれた物は、東日本大震災。
それがいったん落ち着いた今でも、実はまだ終わっていないんだという現実を突きつけられている処からくる不安と不快感なのだと思う。
だから、シン・ゴジラは秀逸であり、パンデミック発生の今だからこそ、もう一度観るべき映画なのではないかと、私は思うのです。
シン・ゴジラ第四形態・凍結

☆東宝と大映

東宝の怪獣映画と言えば、ゴジラが代表的。
このシン・ゴジラは、その29作目にあたる。
シン・ゴジラ第四形態
一方、大映。
大映の怪獣映画の代表と言えば、ガメラ。
大映から徳間グループ、そして角川映画と引き継がれている。
日高晤郎さんが市川雷蔵先生と共演し映画デビューを果たしたのも大映である。
平成ガメラ

☆余談ながら、平成ガメラ三部作

東宝のゴジラが大人気となり、ゴジラに対抗して大映が生み出したのが、ガメラ。

平成に入り、大映も徳間グループの子会社となった。
その時に作られたのが、旧大映でのガメラの設定を直接引き継がないガメラ映画。
いわゆる「平成ガメラ三部作」である。

監督は金子修介氏。
特撮技術監督が、樋口真嗣氏。
脚本は伊藤和典氏。
この平成ガメラ作品で高評価を受けた特技監督の樋口氏は、その後目覚ましい活躍。
そして、シン・ゴジラの特技監督で更なる高評価を受けるに至っている。
平成ガメラ

その後の怪獣映画の在り方を変えたと言われている平成ガメラ三部作。
怪獣が、子供に媚びる描き方をされているのではなく、災害そのものとして位置づけられ人的被害もしっかり描かれていることも特徴。

余談ながら、ギャレスエドワーズ監督の米国版ゴジラは、平成ガメラ世界観の延長として描かれたと、私は確信している。
でもその話は長くなるのでまた、ずっと後の別の機会に。
ギャレスエドワーズ監督 GODZILLA

ちょっとなんて言いながら、4回も語ってしまいました。
ごめんあそべ。

では、今夜はちょっと「シン・ゴジラ」の話。
おしまい。
シン・ゴジラ第四形態

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください