木村善幸さん 無観客トライアル公演 リポートPart1

< 木村善幸さんの挑戦から続く。

☆無観客公演にお邪魔させていただいた日

日高晤郎さんがつないでくださったご縁。
津軽三味線・和太鼓奏者の木村善幸さん
日高晤郎さんが絶賛された、二刀流の演者である。

その木村善幸さんが、このコロナ禍の中、無観客トライアル公演を行う。
調べてみると、無観客と言えど、お弟子さんに関しては見学可能とある。

、、、私は、お弟子さんでもないただのおっさん。
ただのおっさんだから、触れておきたいってことだってあるでしょう。
、、、無いですか(^_^;)

日本の伝統的音の世界を背負う演者が、世界的災厄に立ち向かうのです。
お弟子さんじゃないけれど、「どうしても観たいという方は、ご連絡ください」ともあったので、どうしても観たいですと手を挙げてみた。
そうしたら、是非いらしてくださいと温かいお言葉。
迷わず、首覚悟で休暇を取りまして、体調を前の晩から整えまして、当日の昼過ぎを迎えたのです。
(この備え、日高晤郎ショー関連の見学ならば当然の流れですVさいん (^O^)v

14時30分辺りから、見学可能という事だったので、会場到着は14時10分。
着いたらご連絡くださいとあったので、14時16分秘匿通信で一報。
しかし心細くなる。
会場の小ホールは目の前。
扉は固く閉ざされ、その手前にはロープも張られている。
木村善幸さん 無観客トライアル公演
うむ、無観客公演なので、誰も入れないようになっている。
うむ、開始14分前に連絡入れて、ステージに上がる演者が視るわけ無かろう。
うむ、私はしくじったのかも知れぬ。
うむ、でもせっかく来たので、ロープの前で雰囲気だけでも感じ取れれば良いか。

なんて頭の中でグルグル考えてたら、楽屋口通路から、木村善幸さんご本人が、マネージャーさんといらっしゃった。
「お久しぶりです、お元気でした?」と木村善幸さんは木村善幸さんだった。
あまりに自然体で、こちらが面食らってしまった。
いや、その自然体を越えて、私の知らない木村さんの厚みと拡がりが私を包んでいたのだと、実はずっと後で気付いたけれど。

木村善幸さん 無観客トライアル公演

☆札幌市教育文化会館小ホール 2020.9.18

木村善幸さんとマネージャーさんが、私を案内して下さったのは、なんと舞台裏。
多くのスタッフさんやお弟子さんが、あれこれを準備なさってる、そんな真っただ中。
「本当だったら、私達は今頃、ドイツ公演だったんですよ」と木村さん。

本当に、COVID-19は、あらゆるものを侵食していく。
ドイツの皆さんが触れるべきだったものが封印され、今こうして、札幌市教育文化会館で形を変えて進化して、何かが生まれようとしているのだ。
この舞台は、芸道であると同時に、忘れてはならない伝承された精神でもあると思う。そして、しなやかな戦いでもある。
この時、木村さんの言葉を聞いて、私はなぜかそう思った。

公演を控え、木村さんはお弟子さんたちに私を引合わせて下さり、「古くからのファンの方です」と紹介して下さった。
なんだか、ただのおっさんなのにと、申し訳ない気分半分。
でも感銘も。
それは、お弟子さんたちの姿勢と、その表情が醸し出す「気」。
言葉にうまくできないけれども、これは良質の師弟間にのみ生じる独特の霊光でもあると思う。

そして木村さんは、お弟子さんと諸準備に。
マネージャーさんは、その後少し舞台裏を見せて下さり、「こういう場面と、こういう角度もご覧になられたら良いかと思いまして」と仰ってくださった。
プロの裏側。
木村さんとマネージャーさんに感謝。
表からは見えない部分は、う~ん、なんともこれも言葉にならない。
でも無理やり一言で言うと、美しかった、広い意味で。

そしてマネージャーさんに導かれるまま、前へ。
幕を抜けたら、目の前に観客席が広角に拡がった。
そう、私は舞台から客席に降りて座るという経験をもさせていただいたのだ。
あ、こう見えるんだ。
あ、こういう感覚なんだ。
驚くより先に、この貴重な経験を胸に刻むことに必死。

そして、「自由にお座りください」とマネージャーさん。
お礼を伝え、中央に着席。
ま、て、よ。
客席には、3人しかいなかった。
私と、照明さんと音響さん。
つ、ま、り。
この時点で観客は私一人。
いや、この表現は正しくない、だって無観客公演だから。
つ、ま、り。
関係者でも無く、客席で観てるの、私だけ。

だ、か、ら。
観させて頂いた者の責任もあると思う。
観てきたこと、感じたこと、ここに私なりに記し残しておこうと思うのだ。
何より、日高晤郎さんが惚れぬいた演者のお一人だから。

という事で。
まだ、この件に関しては続きます。
本日はここまで。
木村善幸さん 無観客トライアル公演


< 木村善幸さん 無観客トライアル公演 リポートPart2へと続く。

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