晤郎さんとタリバン
☆アフガニスタン反政府勢力の勝利宣言
日本時間の8月16日朝、アフガニスタン政府は事実上崩壊。
タリバン幹部は、勝利宣言を出した。
そんなニュースが駆け巡った。
これはアフガニスタンのアメリカ駐留軍が、8月末をもって撤退を決定を受けての戦闘であった。
戦闘と言っても、アフガニスタン政府軍は無抵抗だったと言い、「政府軍が自国を守る戦闘を行わない状態の中で、そこにアメリカ軍が戦闘を行う理由はない。」との談話を発表したアメリカは傍観。
タリバンは領地を拡げ、瞬く間に首都中心部の大統領府や政府庁舎を制圧。
ただこれは、用意周到に立てられた筋書き通りで、トランプ前大統領とタリバンの間で交わされた和平調停の成立の折から組み立てられ始めた戦闘だったのだと思われる。
西側諸国からの情報によるタリバンは、恐怖政治で人権弾圧も激しいと伝わっているが、一方、現地でインフラ整備などに尽力され後に凶弾に倒れることになる中村医師は、こう語っておられます。
故・中村哲医師が語ったアフガン「恐怖政治は虚、真の支援を」
一口に「タリバン」と言っても、内側の統制は完全にしっかりしたものではないのかもしれない。
何故なら、中村医師の命を奪ったのもタリバンではないかという話もあるから。
当のタリバンは公式に否定してるみたいだが。
情報戦のフィルター越しにもしかして、私達は手玉に取られているのかもしれないとも思う。
☆日高晤郎さんとアフガニスタン
2016年春に、北海道立近代美術館に於いて開催された「平山郁夫 悠久のシルクロード」
そこで触れた、日高晤郎さん人生初の案内芸。
その中で、タリバンによるバーミヤン仏像破壊に関する説明(案内)もあった。
「2001年3月。
アフガニスタンの武装勢力タリバンによって、バーミアンの大石仏が破壊されました。
かねてより、この動きを阻止するために、国連を通じてタリバンにメッセージを発していた平山は、、、」
これは、晤郎さん人生初の案内(あない)芸、その18番目「バーミヤン大石仏」の音声案内を、句読点や行間を極力忠実に再現した私のノートからの記載。
読み込んで練って練り上げて言葉にしていく晤郎さんだから、この仏像破壊にしてもきっと、タリバンの教義や心理まで推察しての案内芸だったと思う。
「破壊と言う暴挙への抗議に似た哀しみが、この18番目の音声案内には込められてる気がした。」
これは当時のノートの私の雑感。
本当はもっと長いが、ここは一部抜き出しで。
そう、18番目、声の質を少し変えておられたように感じた自分が居た。
「分かる人には分かるでしょ、ここの技とメッセージ性」
そういう言葉にならない言葉の部分を繰るのが、晤郎さんは極上だった。
さて現在。
あの、タリバンの勝利宣言。
空の晤郎さんは、どうご覧になっているだろうか?