たとう紙
☆着物の包み紙
ちょいと話は戻って、せき呉服店。
社長から色々お教えいただいて、作った着物は「たとうし」での保管が基本だと知った。
そこで気になったのは、「たとうし」の漢字。
いったいどんな漢字なんだろう。
漢字は表意文字。
なので通常、漢字が分かればそこに含まれた意味も分かる。
たとうし、、、多頭紙という文字がまず浮かんだ。
たとうしの「し」の文字はどう考えても「紙」のはずだ。
いやいくら何でも、頭が多いってのは変か!
そこで社長にたとうしの漢字を尋ねた。
そしたら「いやぁ、私どもはタトウシと言ってますが漢字は考えたことなかったですね」とのこと。
そこで調べた、スマホは便利である。
「畳紙」
これが正解。
多当紙の表記も見られた。
☆畳紙の寿命
畳紙に使用されている紙は勿論和紙。
和紙はほかの紙に比べて繊維が長めで、耐久性と保存性に優れているという。
更に酸度は中性で、繊維の劣化も防げるという。
畳紙に包まれて保管された着物は、折れや日焼け、そして埃から守られる。
更に、着物の大敵「湿気」への盾としても機能するという。
湿気が防げれば、カビや紙魚も防げるのだ。
畳紙、偉大!
せき社長から、貴重な話を伺った。
畳紙の寿命。
おおよその内容は以下。
畳紙は徐々に劣化していくが、その度合いは環境に左右されるという。
通常の管理をしていて、私の実家の九州では2~3年。
北海道では4年。
それが畳紙交換の目安。
つまり、自然状態における湿気の分量の差である。
もうこの話を伺って、畳紙を発注した。
母から送られてきた喪服の分を。
社長は、どこでも買えますよと仰っていらしたが、ここはご縁の話でもある。
そして晤郎さんファンとしても何ら迷う事は無し。
良い買い物は気分も良くなる。
着物の世界は深い。
その深さがとても心地良く、活力に変わっていくのを感じている。