軽石連鎖

☆黒潮

昨日、福徳岡ノ場と大量の軽石について書いたけれど、今夜ももう少しその話。

小笠原火山帯の福徳岡ノ場の大噴火で噴出した軽石は、海流に乗って現在沖縄までやって来た。
日本の周囲を流れる四大海流は以下。
日本の海流
福徳岡ノ場辺りで巻き込むように、黒潮が沖縄方面にターンしているのが分かる。
それは黒潮大循環流とも、返流とも呼ばれている。
海上保安庁 海洋情報部
黒潮大循環流に乗って沖縄に流れ着いた大量の軽石は、いずれ黒潮本流に乗って九州沿岸から太平洋側を伝い関東まで到達する事も考えられる。
一部は対馬海流へ流され、九州西海岸から遠くは日本海側沿岸に向かい可能性もある。
しかも、まだ大洋上に他の軽石帯が移動中だとも報道されていた。
日本の海流

海水面下25mの火山の大噴火は、海を伝って思わぬ被害をもたらしている。
沖縄では、船が動かないほどだという。
エンジンの濾過器を目詰まりさせるのだという。

☆原子力発電所

昨日27日、原子力規制委員会の定例会合で、「九州から関東沿岸の原子力発電所取水施設に影響が出る可能性がある」と言う話が出たという。
原子力発電所は、その炉を冷却させるために海水を利用している。
つい10年前私達日本人は、原子炉の事故の怖さを嫌と言うほど身近に感じさせられた。 
その折は、大地震によって。

そして今回は海底火山の大噴火。
大地震でなくても、原子力発電所へ下手をするとかなりの被害が出ることもあるという事だ。

但し、東日本大震災と違って、海流に乗ってやって来るかもしれない大量の軽石の対策時間は充分にあるので、そこまで心配はしてはいないけれど。

折角なので、日本の原子力発電所の位置を示す地図を貼っておく。
少々古い地図なので、現状と多少の違いは有るかもしれないが、まぁ、貼っておく。
原子力発電所の地図

稼働中で一番沖縄に近いのが、鹿児島の川内原発、二基とも稼働中。

☆中華人民共和国の原子力発電所

ここまで来たらついでだ、中国!

中国にも原子力発電所は当然ある。
これもデータが古いので、完全にこの地図通りかと言えばそこまで調べてないけれど、まぁこんな感じでしょう。
原子力発電所の地図

海流の関係上、ここに軽石が漂着するとは思えない。
しかし中国の原発の怖さは、常にある。

上空には常に、偏西風と言うとても強く早い風が吹いている。
この風は大雑把に言えば、中国から日本に向けて絶えず吹き続けている。
私達が知っていることは、この風に乗って高気圧も低気圧も台風も、常に中国大陸から日本に向かって移動しているのだ。

つまり。

中国の沿岸部で稼働、もしくは今後建設が進んで稼働するであろう上記の原子力発電所群。
これらの一つでも何かしらの制御不能な大事故が発生したなら、そこから漏れた放射性物質は日本にやってくることになる。
そう。
黄砂みたいに。

見えない身近な処にある恐怖の一つ。
そしてこれもまた、火である。
人間が創り上げた火山の一種ともいえるのかなとも思っている。
ある意味、神の領域だと。

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