聞き巧者について
☆「聞巧者」とも書くんですね
ああ悔しいったらありゃしない!
以前に、晤郎さんが仰った「聴き巧者」と言う言葉を調べていて全く手掛かりがつかめなくって。
それで、たまたま晤郎さんを偲ぶ忘年会で、NHKの古屋アナウンサーが私の隣の席にみえた事があった。
これは千載一遇の機会とばかりに、古典芸能に精通されている古屋さんに質問したが「正式には、そういう言葉は有りませんね。」という事だった。
しかし、間違いだった、、、私が聴き巧者と言う文字だと思い込んでいたから答えに辿り着かなかっただけだったのだ。
☆三遊亭圓生「寄席育ち」を読んでいて
昨夜、就寝前の30分読書中、「寄席育ち」の70頁14行目。
「楽屋でそういう芸談をしじゅう聞いていますから、子供でもだんだん聞き巧者になるわけでしょう。」の記述。
思わず叫んでました、、、夜なのに。
いやぁ驚いた。
聴きではなくて聞き!!!
これじゃぁ見つかりにくい。
それで「聞き巧者」で調べたら、あっけなく発見。
なんだよそれ~~って、悔しくてしばらく寝付けなかった。
例えば、歌舞伎をはじめとするお芝居などに通い慣れていて、その本筋を上手に味わって観劇できる人の事を「見巧者」(みごうしゃ)
とても繊細に言葉を紡ぎ、人の心にストンと思いを伝えることが出来る人の事を「口巧者」(くちごうしゃ)
物語などを言葉巧みに朗読し、人々を魅了する人の事を「読巧者」(よみごうしゃ)
私はプロレスが好きなのでプロレスで例えるが、試合展開が戦略的に上手なレスラーの事を「試合巧者」(しあいこうしゃ)
また、武士などが戦闘で合理的な采配をすることを「戦巧者」(いくさこうしゃ)
そして圓生さんも書いてらっしゃった聞き巧者は、一般的には聞き上手と同意語と記されています。
ですが、晤郎さんや圓生さんが仰っている聞き巧者はいささか意味合いが違うのです。古屋アナウンサーも仰ってましたが、見巧者の対になる言葉なんですね。
芸事への理解者。
味わって聞くことが出来る人。
言葉の裏の真意を聞き分けることが出来る人。
圓生さんの「寄席育ち」での文脈から、その事が分かります。
あ~~~~~
スッキリした。
しっかしなぁ、、、。
ほんの小さな勘違いで答えに辿り着いてない事って、きっと多いんだろうなぁ。
晤郎さんに再びお会いするまでには、私ももっと賢くなってなきゃなと思った昨夜の出来事。
さあて、今夜もこれから寄席育ちの続きを読み始めようっと!