せき呉服店・蔵ざらえ 2021初日

☆人生初の呉服展示販売会へ

「分不相応」
そんな言葉が頭を何度もよぎる。
札幌は昨夜からの積雪で、道路状態も悪く、しかも寒い。

日高晤郎さん御用達のお店としても知られている、せき呉服店。
COVID-19の影響で三年ぶりとなる蔵ざらえが、本日より開催。
そこで私はどうしても行ってみたくなったのだ。

外郎売の練習から始まって、とあることから着物を作っていただいて、だけれど着物に関する知識は皆無。
それならこの機会に呉服店の蔵ざらえに足を運んでみようと思い立った次第。

蔵ざらえ。
今風に言うなら、在庫一掃セール。
、、、ああ、いやだいやだ、在庫一掃セールという言葉。
着物には似つかわしくない、ごめんね説明のために使ってしまったよって一体私は誰に謝ってる。

会場へは地下鉄で移動した。
会場についてもなお、私の頭の中の気弱な私がつぶやく。
「分不相応!」
せき呉服店 蔵ざらえ2021

☆会場開場

会場は、ANAクラウンプラザホテル地下一階あさひの間。
ちょっと平民として圧倒されてしまった会場前。
「やっぱり私は分不相応!!」と悲鳴にも似た声が胸の内で反響しつつも、「晤郎さんのお召しになった着物の世界への探求のためぞ」と弱気な自分に言い聞かせた瞬間。
せき呉服店 蔵ざらえ2021

こういう時に使う魔法の言葉は「一歩踏み出す勇気」
と言いつつ、一歩踏み出しては怖気づく、それが私。

だってですよ、会場にいらっしゃる皆さん、品の良い方ばかり。
せき社長も和装で、佇まいが既に一幅の絵画。
これは緊張しますね。
緊張はしましたが、反物や着物、それに帯など気品があって美しい。

まずはせき社長にご挨拶。
それから展示会を始めからゆっくり見て回りました。
不思議ですね、まだ何の知識もないのに。
以前よりずっと、着物や反物それぞれの個性がほんのちょっとだけですが伝わってくる。
せき呉服店 蔵ざらえ2021

そうやって、密かに心動かされながら見ていたら、一人の男性から話しかけられました。
今回の蔵ざらえのお手伝いに見えていた関係者の方でした。
まだ何も知らない私に実に丁寧に色々とお教えくださる方で、心から有り難かったです。
新しい知識を得られるという事だけでも、今回行って正解でした。

こうしてだいたい30分ぐらいでしょうか。
ずっと私につきっきりであれこれ教えてくだすった。
もうこうなると、「分不相応」などと喚いている自分の中の自分はどこかに隠れてしまって、あとは好奇心のみ。

男性のお話によると、う~ん、男性という表現だけだとなんか冷たいですね、そうだ、仮に「先生」とお呼びしましょう。
先生のお話によると、日本の着物需要は、昭和の終わりを境に下火になって行ってるとか。
その影響で、国内の機織り産業も減少して行ってるらしいのです。
生産が減って行けば、需要も減少していく、その悪循環。
「着物は日本文化そのものでもありますから、現代の皆さんにもその良さを知っていただきたいですね。」先生は優しい笑顔で、そうも仰っていました。
せき呉服店 蔵ざらえ

☆履物会場へ

反物をひとしきり拝見してから、せき社長のおススメもあり、別室の履物展示会場へ。
先生も、履物は大事です夏用と冬用の履き分けも重要ですと話して下すって、一緒に別室まで付いてきてくださいました。

その部屋には、履物職人の男性がいらして、これまた親切に履物、、、雪駄についてあれこれ教えていただきました。
ここで私個人的には重大な発見があったんです。
私の足のサイズはここ35年ずっと25.5cmだと信じてたんです。
ところが、履物職人さんに計測していただくと、なんと24㎝。
本当に、両目がぽとぽとと畳に落ちるんじゃないかってくらい驚きました。
24㎝ですって!!👣

実は、雪駄を履くときの足の寸法って、スニーカーと比べて計測ポイントが異なるかららしいんですね。
そして雪駄から踵がちょいとハミ出してるぐらいが正しいんですって。
当然雪駄のランクも上から下まで価格の幅が広いので、ご予算に応じて作りますよと仰ってました。

私、平民ですが、分相応な雪駄を作ると決心した瞬間でした。
しみじみ思いました、勇気をもって踏み出して正解でした。
せき呉服店 蔵ざらえ2021

☆せき呉服店・蔵ざらえ2021初日感想

着物に関してド素人な私でしたが、皆さんとても親切な対応をしてくださいました。
仮に知識がなくても、興味がおありなら是非会場に足をお運びされてみてください。

晤郎さんが信頼を置いたお店です。
当然ですけど、商品購入の無言の圧も一切なく、安心してまずは気軽に会場に来てその世界に触れてみるのが大事かなと感じました。

あとひとつ。
会場正面奥に小さな机があって、そこに先代社長の御遺影が置かれていました。
来場されるお客様がその前で正座し、深々と頭を下げられて、それから会場へゆっくりと歩を進められる姿を何度か目にしました。
晤郎さんがせき呉服店に全幅の信頼を置かれていたことが、この場面からも伝わりました。

せき呉服店 蔵ざらえ 2021
期間は本日11月27日土曜日~29日月曜の三日間
開催時間:10時~19時(最終日の29日は18時まで)
会場:ANAクラウンプラザホテル札幌 地下1階 あさひの間(百十畳のお座敷)
住所:札幌市中央区北3条西1丁目2-9
電話:011-221-4411(代表)

愛おしいくらいの日本文化がここに在ります。
皆様も、是非。
せき呉服店 蔵ざらえ2021



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

手紙

前の記事

さだまさしさんの不調
日記

次の記事

新型コロナ・オミクロン株