晤郎さんの語り芸を考える

☆圓生さんと晤郎さん

晤郎さんの語り芸。
晤郎さんはどこからどういう風に学ばれたのだろうか?

そんな好奇心がずっと私に根付いている。 
演劇指導と言う形で、まずは毛利菊枝さんからということだろうか。

ずっとあれこれ考えていて、最近行きついたのが噺家(落語家)の六代目三遊亭圓生さん。
昭和の名人で、品の有る幅広い演目をやった方。
圓生さんの言葉の間とか、芸に対する姿勢と言うのが、私にはまるで日高晤郎さんに感じられてしまうのだ。

晤郎さんの「紺屋高尾」がお好きな方は、騙されたと思ってまずは圓生さんの「子別れ」や「唐茄子屋」を聴いていただきたい。
そして余裕があれば、その言葉選びや「間」を味わっていただきたい。
圓生百席 紺屋高尾

☆圓生百席を求めて

名人圓生の珠玉の噺を録音したCDが色々発売されている。
その最高峰が「圓生百席
圓生さんの持ちネタを、完璧にスタジオ録音した一大資料と言う面も併せ持つ。

圓生百席と並ぶ録音資料は、落語界にはほかに見当たらない。
そしてその価格がこれまたすごい。
二十一万六千九百二十円!

良しこれも勉強だ。
食事減らして外出減らして、服なんぞ今後10年買わないと覚悟を決め、申し込もうとしたら完売。

完売、、、こういう言葉を聞いたら俄然強気になる。
本気で買うつもりだったのに。
即金で買うつもりだったのに。
なんて気持ちがもりもり湧き出してくる。

噺は文化だ。
完売と言うだけで、文化を学ぼうとしている一般市民に勉強の場が開かれなくて良いのか?
良いはずがあるまい。
ん?
待てよ、、、。

人間、追い詰められたら名案が出てくるもので。
ここは天下の札幌市だ。
札幌市図書館には、話芸録音資料の最高峰の一つ「圓生百席」があるに違いない。
それで、確信を持って今日の昼、札幌市図書館に行ってきた、昼ごはんも食べずに。

札幌市図書館
受付けの知的な女性に尋ねた。
「あの~すみません、落語の圓生百席をお借りしたいんですが」と私。
「無いですよ」知的お姉さんは、即答だった。

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