芸人の見送り方

☆三遊亭円楽さんのお別れ会

11月2日東京で、9月にお亡くなりになった三遊亭円楽さんのお別れ会が行われたとニュースで知りました。
噺家さんたちも集まって、ずいぶん賑やかで明るい会だったようですね。
三遊亭円楽さん お別れの会

円楽さんの師匠の師匠は、六代目三遊亭圓生さん。
この圓生さんの噺からは、随所に日高晤郎さんが影響を受けたであろうという部分が見られます。
その圓生さんの大偉業の一つ「圓生百席」
そこの「子別れ 上」の枕(本題の噺の前に入る、導入噺)には、こういう箇所があります。
(要約)
圓生百席 子別れ 上

私たち噺家の葬儀というものは、堅気の方々とは違うんですね。
とにかく騒ぐ。
ちょいと静かになってきたら、誰かが「いけないね、しんみりしてきた。ここで一度締めようじゃないか」と音頭をとる。
「いぉう、ぱぱぱん、ぱぱぱん、ぱぱぱんぱん♪」てな具合。
お通夜というのは、今と違って明け方までやるもんだから、どうにも間が持たない。
それはそれで心得てる者がいて、花札や賽(サイコロ)を持参して、そこここで盛り上がる。
陽気に見送るってえのが、私たちの葬儀なんですね。

☆日高晤郎さんの言葉

圓生さんの「子別れ上」の枕を聞いていると、晤郎さんの言葉を思い出します。

晩年、スタジオ内で常連さんたちに仰ってました。
「俺より先に逝くんじゃないよ。俺を見送ってくれなきゃ。」

「けれど、悲しい見送り方はやめて。芸人なんだから、俺の思い出話をしながら、面白い人だったねぇって笑いながら明るく見送って。」

そうかそうなんだと、2日の円楽さんお別れ会の様子を眺めておりました。
明るく見送って、、、か。
晤郎さん、けっこうそれって、、、難しいです。

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