国立演芸場
☆落語や演芸の興行場
木村善幸さんの受賞講演会・祝賀会に出向くついでに、空いた時間で国立演芸場に行ってきました。
ホテルニューオータニから歩いてすぐ。
なかなかの風情です。
ここは、先日お亡くなりになった三遊亭円楽さんの復帰高座の場所でしたから。
まずはどうしても触れておきたかったんです。
私が日高晤郎さんの話芸についてあれこれ調べているうちに行き着いた一つが「六代目 三遊亭圓生」さん。
その六代目がご逝去されたのが1979年。
これじゃ大名跡だからどうもよくないだろうと、後継を誰にするかとあれこれ動きがあったんですが、候補の方々の綱引きでなかなか決まらない。
そうこうするうちに、候補の噺家さんたちがお亡くなりになったり、候補を取りやめたりしたらしい。
六代目三遊亭圓生さんの直系の弟子が、五代目三遊亭圓楽さん。
その圓楽さんのお弟子さんが、三遊亭楽太郎さん。
楽太郎の名付け親が六代目三遊亭圓生さんで、楽太郎さんはそのことが誇りであったらしいんですね。
それから時は流れて五代目の圓楽さんが鬼籍に入られ、2010年に楽太郎さんが六代目三遊亭圓楽を襲名された、とこうなってるんです。
圓楽さんの、圓生という名跡に対する思いは、この著書にもあふれています。
「圓生という名前を遺すべきだ。」との信念から、数年のうちにご自分が一旦「圓生」の名を受け継ぎ、次世代へ手渡すという手筈を整えてらっしゃったようです。
2018年9月、肺がんであることが分かり手術。
その後、脳腫瘍のため入院。
そして今年八月、なんとか病からの復帰高座を行った場所が、この国立演芸場だったんです。
赤枠で囲んでみました、ここに圓楽さんの名前が載っています。
残念ながら、病はその思いを断ち切るように圓楽さんの命を持ち去りました。
肺がんでした。
戒名は、「泰通圓生上座」
圓楽さんの噺を、一度は直接触れてみたかった。
そんな思いを胸に、初の国立演芸場探訪でした。
この国立演芸場は、来年秋で建て替えとなります。
なので、それまでに一度しっかり味わっておきたいですね。
それまでに、時間作ってまた来ます。
噺を選んで、ここを登って。
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