伝統芸能情報館

☆二階の図書閲覧室は予約制

昨日の続き。(国立演芸場

木村善幸さんの受賞記念講演会・祝賀会翌日。
少し時間があったので、国立演芸場と国立劇場の間にある、伝統芸能情報館に行きました。

お目当ては、この館の二階にある図書閲覧室。
伝統芸能情報館

図書閲覧室利用には、その前日まで予約が必要です、ご注意を!
伝統芸能情報館

☆これぞ正統的図書!

さてこの図書閲覧室。
気軽に行ってただ覗いてみようという方は門前払いを喰らいます。
いやほんと、私自身が「せっかくだからちょいと覗いてみたい」なんて軽い気持ちで行ってたものですから、内心動揺しました。
担当の司書らしき女性は王道の司書です。
笑顔もなく淡々と話をされます。
「で、どのような本をご覧になりますか?」
おお~~これぞ正統的図書館司書、こうでなくっちゃいけない。これを事務的と言ってはならない、司書なのだからこれでよい。
なんて思うわけないでしょ私が。
もうのっけから気圧されまくってまして、、はい。

どのような本と問われて、あれもこれもと悩むのは素人。
私は咄嗟に「二代目市川團十郎の外郎売の台詞の初本を読みたいです、それが無ければ諸本に近いものを見せてください。」
どうです。
こういうことを即答できるだなんて、詐欺師か私かってなもんです。
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一瞬私はその正統的司書が「おっ!」とほんの数ミリ後ずさったのを見逃さなかった。
こう来るとは思ってなかったのだろう正統的図書は、どうだ参ったか!
まずは中に入ってお待ちくださいと笑顔もなく淡々と司書的指示。
何度も言うが無愛想なのではない、司書はこれでいいのだ。
伝統芸能情報館
内部は撮影禁止なので、せめてもと入口の写真を撮影、なぜか司書の目を避けながら。

☆外郎売資料

待つことしばし。
事務スペースで司書が私に見せる資料を検索している。
するともう一人、笑顔の素敵な、まるで大人気の保母さんみたいな方が事務スペースから出てきて私に。
「お待ちになってる間に、どうぞこちらのパソコンでご自由に検索されてくださいねふふふふふ」と極上の笑顔と音階で私に救いの手を差し伸べて下すった。

すぐさまお言葉に甘えてついでに保母天使にも甘えてパソコンスペースに移動。
ふむふむ、パソコンデータの内容が極めて国立的飾り気の無さ、天晴でありました。
でも撮影不可なので、写真は無し。
まぁ、極限まで色気のないパソコンをご想像くださいませ、ってなもんだ。
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しばらくして正統的司書が、笑顔もなく淡々と探してきた三冊の資料を抱えて持ってきた。
おおお三冊もあったか、さすが国立と内心感動してる私。
すると正統的司書が笑顔を見せるとこれから起こる幸運が全て奪われてしまうのだと命がけで信じているかのように実に見事に事務的に。
「まずはこれらをご覧ください。」と私に丁寧に三冊を手渡してくれた。
本の扱いは誠に丁寧でしたね、やはり司書、本のプロ。お見事。

正統的司書は更に「こちらのご利用は時間制限がありまして、お一人二時間です。」と言う。
三冊で二時間、充分!そう思っていたら、まだ他にも検索をかけているという。
おおおお!さすが正統的司書、そう来なくっちゃ!!
というわけで、かなり急いで読んだ。
大丈夫、私には作ったばかりの最新鋭の読書用メガネがあるのだから。(富士メガネ製
フジメガネ 狸小路本店

必要な部分だけを探して物凄く急いで読んで、読んだか読み終えないかというギリギリのタイミングで更に三冊持ってきてくれたのは保母天使。
「こちら、お持ちしました。今まだあちらで探しておりますので、また有ればお持ちしますねふふふふふ」と心からの笑顔、癒されるぅぅぅぅ。
その笑顔に癒されたから読書速度倍増。男ってこんなもんだ。
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その天使保母が持ってきて下すった三冊をまだ読み終わらないうちに今度は正統的司書が、二冊持ってきてくれた。
「ひとまずこれぐらいですね。」
いや、これだけあれば充分すぎるほど充分。
ありがとうございます、と笑顔でお礼を言ってみた。
「また何かあれば仰ってください」と淡々と正統的司書。
何かあれば、、、おおそうだ!あなたわたしがきらいですか?えがおつくるのになんかろりーしょうひしますか?おこってますか?じんせいたのしめてますか?
等と危うく矢継ぎ早に質問するところだったが、どうにか自制できました偉いぞ自分。
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都合八冊。
外郎売に関しての箇所、どうにか読み終えた。
勉強になったし、これについては別項目で書き記しておくつもり。
固定ページの外郎売研究室になるかな。
それにしても正統的司書、あれこれ書いたがよくぞここまでの資料を出して下すったと感謝。

制限時間を20分残して図書閲覧室を出るとき、お礼を述べ頭を下げた。
正統的司書と保母天使は机を並べて同時に会釈してくれた。
一人はここで感情を見せたら私の人生の秘密が全て漏洩するのと言わんばかりの無表情で。
もう一人は生きてるだけで幸せよ、世界は幸せに満ち溢れているのと言うかのような満面の笑みで。
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