芸談~気転を働かせること
☆浮世に言い忘れたこと
この前も、地震なんかがありました。
私は居間で、映画を観ていたんですが、本棚が一回ぐらッと揺れた。
あれ?
地震かなとは思ったんですが、「一回グラ」では、、、かな?ぐらい。
そして1分後か2分後だったか、グラグラグラと来た。
さすがにこれは地震だと分かり、映画を止めてスマートフォンの緊急防災速報(NHK専用チャンネル)を開くと、根室で震度5とある。
夜中でしたからね、心配でしたが、大きな被害はなかったようで安心してます。
地震と言えば、あの東日本大震災の翌日、ラジオで9時間生放送をされた日高晤郎さんを思い出します。
あの放送は絶対に忘れてはならないものですし、語り継いでいきたい放送でした。
もしよろしければ前に、このブログでも書き起こしをしてますので、以下のリンクからご興味ある方はどうぞ。
日本中があの時、不安に包まれましたし、現地では未曾有の災害が被害を拡大させていた。
そんな状況下での生放送。
それを三遊亭圓生さんのこの言葉に重ねて見返している自分が居ます。
☆気転を働かせること
何かに困ったときに、どういう処置をしたらいいかという、、、これはどうも、突然に起こることですからね。
最初から考えておくことではありませんし、それに普段、心掛けていてもその場になると人間は、ハッとしてだめになるもので、、、。
あたくしども、長年高座に出ておりますが、演芸中に突然何かが起こった場合、上手くそれを処理できるかどうかということは、これは普段の心掛けにもよりますが、あたくしはつまるところ、自分の立場に責任を感じることだと思います。
太平洋戦争中には、演芸中によく空襲警報に出会ったことがありますが、その場合でも演者は決して慌ててはいけません。
客はみな、演者に注目して聞いている。
その最中に演者が慌てふためいたら、それこそ群集心理で一同が騒ぎ出すのは必定なのです。
だから落ち着き払って。
「ただいま空襲警報でございますから、皆様どうかお静かにご退場を願います。お静かにどうぞ、、、。」
とことさらにゆっくりしゃべると、客も慌てず順序良く帰ってくれたものです。
あたくしが度胸があるんでも何でもない。
そりゃね、内心は怖いですよ。
ただ自分の責任というものを考えて、自分が慌てたらどういうことになるかと思うから、わざと落ち着き払って見せるまでであって。