大道芸人さんを観てきました~その2
☆ガマの油売り・紙芝居・南京玉すだれ
ゴールデンウィーク期間中の北海道開拓の村で、特別の催し物の一つとして、大道芸人さんによる実演が行われていましたので観てきました。
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実演項目は、以下の三つ。
一つは、ガマの油売り。
一つは紙芝居。
そして、南京玉すだれ。
それぞれの感想などを書いておくことにします。
☆ガマの油売り
私はこれがまず観たかったんです。
何故なら、日高晤郎さんの外郎売口上にも通じますし、六代目三遊亭圓生さんの演目にも有りますから。
でも時代は令和だし、雰囲気だけでも触れられたらいいかなと思っての見物だったんですが、思いのほか良かった。
この御方、迫力満点。
声も佇まいもインチキ臭さも、そしてクスリとさせてくれる愛嬌も最高でした。
始まって3秒でしたね、私が魅了されるまでの時間。
令和の劣化版大道芸なんだろうとナメてましたが、イヤイヤどうして、明治から昭和初期の風情たっぷり。
何より心つかまれたのは、口上の見事さ。
呼吸(いき)そして間(ま)も、鮮やか。
そしてこれ、集まった子供達の反応への臨機応変さ。
ただ気になったのは、少しだけ体調が思わしくないようで、見事な口上のそこここで軽い息切れ。
私も晤郎さんへの思慕からこっそりと一人の時に外郎売口上をやるんですけれど、やってると分かるんです。
長めの口上は、体力必要です。でないと息が切れる。
このガマの油売りの方も、本調子が出てないんだなと伝わりました。
ただここから。
凄いのは、体調が思わしくない所を愛嬌に持っていく力量に魅せられました。
さぁさぁ~お立ち合い!
御用とお急ぎでなかったら、ゆっくりと聞いておいで。
遠目山越えは笠の内。聞かざる時は、物の出方・善悪・黒白がトーンと分からない、、、、とまあ、口上が始まるのですが、遠目山越え笠の内だなんて、多く集まった令和っ子に分かるはずもない言葉を並べているにもかかわらず、子供たちが熱心に見つめて、しかも笑顔なんです。
だいたいの子供に、ガマがなんであるか分かるはずもないのに押し切ってる。
口上の力なんでしょうね、これも。
大道芸人さんと現代っ子たちが醸し出す穏やかな空間に、胸が熱くなりました。
☆余談ながら、ガマの油売り
茨城県の郷土芸能なんです。
元々は、筑波山あたりで膏薬を売ってた人が居て、そこから発生した見世物口上。
なんでも薬としてのガマの油の発祥は、戦国時代だそうですよ。
それが代々受け継がれて、江戸時代末期にお祭りで披露される大道芸になったのだとか。
大道芸として行っていたのは香具師(やし)。
歌舞伎の外郎売ではなく、実際に路地に立って外郎を売っていたのも香具師と言いますから、大きな意味では元々は同じ性質のものと言っても良いんでしょうね。
一枚が二枚
二枚が四枚
四枚が八枚
八枚が十と六枚
十と六枚が、、、さあ何枚?
このガマの油売りの問いかけに元気に手を挙げた少年。
「え~~と、、、35枚!!」
こんな微笑ましい雰囲気のガマの油売り口上実演でした。
で、その少年の回答に大道芸人さん、こう答えたんです。
「35枚!、、、う~~ん、そうかも知れぬ」
最高でしょ♪
さてさて、ガマの油売りだけでこんなに書いちゃったので、紙芝居と南京玉すだれの芸人さんについては、、明日かな、書きます。
では最後に、現場で命懸けで撮影した大ガマの写真。