新宿末廣亭を昼夜みて
☆昼の部
先日、新宿末廣亭に行って丸一日みるという記事を書いたんですが、その感想。
旬によって中身が変わるんです、寄席ってえのは。
上旬が上席。
中旬が中席。
下旬が下席。
こういうふうに。
それで私が見たのは、中席。
木戸賃は3000円。
昼の部が12時に始まって、16時15分あたりまで。
夜の部が16時45分に始まって、20時30分あたりまで。
それで事前にプログラムを入り口で渡されるんですが、出演者が変わるという事もままあります。
この写真は、末廣亭の表に掲げられている出演者一欄。
まずこの昼の部。
始まった頃は2割の入りでしたが半ばすぎる頃には、満員。
こりゃ、最初に演る若手の皆さんには過酷だと思いました。
人気のあるなしが客席を見れば分かるんですから。
満席になってからは、客席の笑いにも熱がこもって、こりゃ良いもんです。
太神楽も良かった。
これ、何か分からない方もいらっしゃるかもしれませんね。
あの染之介染太郎のお二人がやっていた「おめでとうございま~す」のあれです。
実際に目の前で演られたらもう圧巻。
問答無用に引き付けられます。
落語あり、漫談あり、講談に紙切り、そしてコントと盛りだくさん。
一人の演者がだいたい15分ぐらいの出し物をやる。
なかなかどうして濃密な昼の部。
飲食可だったので、売店で飲み物買って、おかきも買って。
しかし高座というのは怖いですね。
面白かったり、う~んと唸らせてくれる演者は良いのですが、ツマラナイ演者の時は会場の反応がない。
間違いなく。「芸」の場でしたね。
そして昼の部が終わったんです、16時あたりだったかな。
予定より少し早かった。
☆夜の部
今回は、昼夜入れ替え無しということで、私はそのまま席に座ってました。
周囲のお客さんは、ぞろぞろと外へ。
食事とか摂って戻ってくるんだろうなぁと思ってましたが、夜の部が始まっても戻ってこない。
客席、満員から15人ほどに激減。
こりゃあ、演者はやりづらいし、やはり恐ろしいでしょうね。
満員だったのが、一気にスカスカになるんですもの。
客が「夜の部の演者には興味ないよ」って言ってるようなもんですから。
15人になってご覧なさい。
演者と絶対に目が合うから。
それでそのうち、昼の部みたいに途中から埋まってくるのかなと思っていましたが、それもない。
スカスカのまんま、夜の部は進んでいきました。
客席がそうだと、演者にも力は入りませんよね。
だからか。
昼の部に比べて、淡々と進んで行った感じがしました。
芸の光と影。
これもまた、味わい深いものではありましたから、私は楽しかったですけどね。
これだけの分量を、たった3000円で味わえるんですから、素晴らしいです。
芸人さんたちが己の芸を、客席と一緒に練り上げていく場。
新宿末廣亭、東京に行った際には一日は空けておいて通いたい場所です。