単語解説:がまだせ節囃子の部分(高千穂音頭)
☆歌詞にある方言の説明
囃子の部分
愛(え)らし恋人(おきせん)
かわいい恋人
早(は)よ早(は)よね
早く早く!
嫁女(よめじょ)にしてと せがまれち
お嫁さんにして、と少し強引に頼まれて
トンピンカンも
がま出せ節の歌詞カードには「飛び上がり」とある。
動作を表す言葉で、「とん」跳ねる音「ぴん」弾ける音「かん」終止音とも思われる。
これはまた、江戸語の「とんちんかん」にも似た響きでもある。
ちなみに「とんちんかん」は、鍛冶屋の師弟が交互に打つ槌(つち)の音。
師弟の呼吸が合っていれば「とん・てん・かん」
ところが弟子がまだ未熟で、師匠との呼吸が合わない場合は「とん・ちん・かん」と聞こえ、そこから間抜けな人を表す江戸の言葉遊びから生まれた言葉。
「とんぴんかん」も、そういう言葉のリズムの影響を受けたものかもしれない。
がま出せ節では、私的に一番謎な歌詞だったが、多分、こういう解釈ではないだろうか。
「ハッとして飛び上がって(隠された意味では、ノンビリ者でお調子者でさえハッとして)」
いさぎゆう
これは単純に、心を決めてこれまでののんびりした生活に潔くけじめをつけて、の意味。
がま出せ がま出さにゃ
「がま出せ」は、精を出せ。
「がま出さにゃ」は、一生懸命仕事をしないといけないよ。
これは、歌詞カードの末文の注釈に、こう書かれておりました。
それとは別に。
昔の仕事は大変キツイものも多い。
なので、それに耐えることができなければ、仕事も中途半端に終わってしまいます。
そこで、どんなにつらいことも、我慢が肝要なのです。
我慢を出すことが、仕事に精を出す事につながるという訳で、この方言となったのではないかと私は考えます。
面白いのは、我慢は自分の内側に有って、それを表に出すという考え方です。
そして「○○さにゃ」は、どうも標準語の「○○しないとね」と同じ意味合い。
長くなったので、まずはここで一区切り。
続きは以下へ。
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