言葉拾い~1
☆たっぷり食べても笑えないという生活よりは、食べられなくても笑えた方がいい。
さてそろそろ、長いこと放置していた固定ページの言葉拾い資料室に手を付けましょうか。
再開の手始めは、晤郎さんの著書「日々幸せ感じ上手」(昭和62年12月刊行)より。
10歳の時に、私生児であった事、そしてそれまで戸籍が無かった事を知らされた晤郎さん。
極貧の状況での子供時代を過ごして、「自分は元々戸籍も無く、幽霊と同じだったんだ。だからこうして生きてるだけで元は取れてる。」といろんなことを我慢出来た晤郎さん。
その状況から生まれた人生哲学の一つがこれ。
「たっぷり食べても笑えないという生活よりは、食べられなくても笑えた方がいい。」
食べるという事は、文字通り食事の意味を表しますがもう一つ。
充分に食べられる潤沢な金銭をも表しています。
つまり、お金を沢山稼いで贅沢な生活してても、心が寂れていたら、何も満たされない。
心さえ潤っていたら、少々お金に苦労しても充実した人生となる。
心が潤っていたら、自然に笑いが生まれ出てくる。
笑いが生まれれば、心は一層潤ってくる。
そういう感じの言葉なんです。
「たっぷり食べても笑えないという生活よりは、食べられなくても笑えた方がいい。」
そしてこの言葉の大元は「一度も笑えなかった一日は、つまらない一日だ。」 という誰かが言った格言めいたものらしいんですね。
晤郎さんはそう書き記してらっしゃるんですが、今、調べてみても誰の言葉なのか分かりませんでした。
ともあれこの言葉は、後に私達が良く聞いたあの言葉につながって行くのです。
そう。
「良く笑えた日は、佳い一日だ」
この言葉です。
言葉拾いの第一回目は、昨日述べた白川静さん風に、晤郎さんの生み出した言葉の語源を探ってみました。