島原の火山と湧水
☆島原市にて
旅の終わりに、島原駅から歩いてフェリーターミナルへ。
その途中、豊富な湧水があちこちで見られました。
これは今から300年と少し前に起こった大地震と、その後の山体崩壊が生み出したものだそうです。
これは、「島原大変肥後迷惑」と呼ばれる天変地異です。
1791年秋に島原地方で群発地震が起こるようになり、翌年、雲仙普賢岳が噴火。
その5月にはM6.4最大震度6の強い地震が島原を襲い、眉山が崩壊。
その土砂が有明海にまで達し、そこで発生した津波が対岸の熊本にまで押し寄せた。
これが、島原大変肥後迷惑です。
名前のおおらかさとは裏腹に、この時の死者が1万5千人強という大惨事となったのです。
こちらが今回撮影した眉山。
山体崩壊の痕が残っていますね。
この山体崩壊で、島原側の海は少し埋め立てられ、かつての海上も陸となりました。
その埋め立てられた土地のあちこちから、今ではきれいな湧水がこんこんと見られるのです。
この湧水を利用して、「かんざらし」という甘味が生み出されました。
これは食べておかねばと、伺ったのが名店・銀水。
写真にあるように、冷たい湧水で、白玉団子を冷やして。
それに特製の蜜を絡めていただきます。
お店の方も親切で、大変に美味しくいただきました。
江戸時代の天変地異のあと、こうして地元の名物ができる。
色々と思いを巡らせながらいただく、かんざらしは、格別深い味わいでした。