☆「日高晤郎ショー 最後の日」~いいから。観ておきなさい。

前回から続く

☆日高晤郎さんとのお別れを胸に、スタジオへ

12時台がこうして終わりました。
実はその少し前、もう何度目か、常連さん数名が廊下組を入れ替わってあげる為にスタジオから出てきたんです。
私は、晤郎さんの前で冷静でいられる自信がありませんでした。
だから、始めの頃に別の常連さんから交代を告げて下さっていたのですが、断っていました。
この12時の終わりで、3度目だったか4度目だったか。

常連さんに、Kさんが居ます。
人生を上手に楽しんでらっしゃって、会話も当意即妙。尊敬できる常連さんの一人。

そのKさんが、その時私に声を掛けてくださいました。
「カズヒコさん、2時間くらい交代しましょう。」
先述の理由で、ここでもお断りしたのです。そしたらKさん、優しくこう一言。
「いいから。観ておきなさい。」
、、、観ておきなさい。
、、、観ておきなさい。
見なさい、ではなく、観ておきなさい。

廊下では分からず、今スタジオで起こっていることが有る。
胸が詰まりました。
「~ておく」
後から起こる出来事のために、前もって何かをする。そんな意味です。
胸が詰まりました。
「もうすぐ晤郎さんとのお別れの時が来る。だからこの瞬間の晤郎さんに会いに行きなさい。後悔しないように。」
Kさんの発した「いいから。観ておきなさい。」は、私にそう伝わったのです。
その言葉に触れた時、私のどこかがガチャリと音を立てて動き出したようでした。

背中を押されるなんて、良く言います。
覚悟が定まりました。
一度深呼吸をしたのを覚えています。
そして私はKさんにお礼を述べ、「しっかりと視てきます。」と伝え、向かいました。
私は確かにこの瞬間、Kさんから背中を押されたのでした。

☆日高晤郎ショー最後の第一スタジオへ

廊下突き当たって左に曲がる。
不意に涙がこみ上げてきました。
スタジオでは絶対に笑顔、スタジオでは絶対に笑顔。
揺らいだ心、何とか修正。
そして電話受付スタッフさんたちの背中をすり抜けて突き当り右。
目の前に、すっかり痩せてしまった晤郎さんがいらっしゃいました。
最後の放送の、日高晤郎さん


最後の放送の日。
13時少し前から15時少し前まで、こうして私は、壮絶に命を削り続ける晤郎さんをこの目で視続けました。
沢山の思い出と共に、この日のKさんの、短くも優しく深い「観ておきなさい」は、大切に大切に今も気持ちの奥の奥に仕舞ってあります。

「日高晤郎ショー 最後の日」1時台Part1へ続く

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