高瀬川~仁和寺への旅
☆木村善幸 仁和寺特別コンサート風景
宿で荷物を解き、身軽になって歩いて高瀬川。
「知恩院の桜が入相の鐘に散る春の夕べ、、、」
晤郎さんの語りが聞こえてきそうな。
そう、ここはあの、森鴎外の高瀬舟の舞台、高瀬川。
ただ現代では、ここを舟が往来できるほどの深さは無い。
穏やかな、囲われた川となっている。
川面を眺めながら、幾度も高瀬舟を暗唱していた。
晤郎さん、また聴きたいです、と。
陽も傾き、辺りが暗くなるまで。
そぞろ歩きながら高瀬川を味わった。
京都初日の夜がこうして始まり、私は再び晤郎さんの追憶として再び歩き出した。
晤郎さんの思い出の、あの食事を摂るために。