根付について
☆和服の装飾品として
昨日、根付について書きましたが、本日はその枝葉。
根付とは何ぞや?
ご存知の方には申し訳ないけれど、私ごときが本のチョイと解説。
和服、、、というと洋服が入ってきた明治以降の対義語なので、以下「着物」としますが、根付は着物の装飾品の一つなんですね。
装飾品なので、着物の繊維を傷めないように円みを帯びているのも特徴です。
洋服と違ってポケットの無い着物ですから、手ぬぐいや常備薬、それに財布や煙草なんぞを携帯する折は帯に挟むのです。
ただ挟んだだけでは、どうにかした拍子に落とすかもしれませんよね。
だからその小物に紐をつけてその突端に、帯への引っ掛かりを取り付けたんですね。
その引っ掛かりが「根付」
小物と根付を結ぶのが「根付紐」
今で言う携帯電話のストラップに近いイメージでしょうね。
江戸時代になって、印籠(携帯薬箱)が普及。
それに伴って根付も普及したと言われています。
もともとは実用目的でしたが、粋な江戸文化は、根付を芸術品の領域まで押し上げます。
根付の種類が一気に増え、以下のように分類されるまでに発展。
・形彫根付(かたぼりねつけ)、、、人物や動植物を彫ったもの。
・面根付(めんねつけ)、、、能狂言などの面を彫ったもの。
・饅頭根付(まんじゅうねつけ)、、、ふくらみを帯びた円形のもの。
・鏡蓋根付(かがみぶたねつけ)、、、中が中空で、それに蓋がついた箱型のもの。
・柳左根付(りゅうさねつけ)、、、ロクロを回して作成された香料入れのようなもの。
・差し根付(さしねつけ)、、、平たいカンザシのようなもの。
・灰皿根付(はいざらねつけ)、、、たばこ灰を収めるためのもの。
・箱根付(はこねつけ)、、、蓋と本体が別々に分かれるもの。
その芸術性の高さに、西洋に愛好家が多く、日本に古い根付が余り残っていないと言います。
なんとなくこの辺までは知っていたんですが、5月の京都で出会ったこの亀の根付に一目惚れ。
私のは、分類で行くと形彫根付ということになります。
裏面まできっかりと彫り込まれているのが分かります。
そして根付の特徴の一つでもある「紐通し」
さてここに、どんな根付紐を潜らすかが、当面の私の迷い処なんです。