大小霰の反物
☆せき呉服店にて
年末も近いので、折に触れて着物の話をしていきます。
今年は着物をまとって京都と東京に旅をして、万年筆もそうですけれど、使えないと思い込んでいていざ使ってみると思いのほか馴染むというのはままあるもので。
これまで遠い世界のことだと思っていた着物が、いざ着てみると佳いんですね。
ある意味、洋服より楽だったりする。
寒過ぎず、暑過ぎず。
腰骨あたりで角帯をしっかり締めるので、姿勢もしゃんとして腰痛も、これはその気味がある人にはですが楽になる。
今は組紐や根付に関してあれこれと調べてまして、資料を集めたり読んだりするだけでは分からないことが出てきます。
そうなったら現場が一番。
ということで、せき呉服店であれこれお話を伺うことにしています。
これは反物。
せき呉服店に陳列して有って、定期的に入れ替えされます。
ご存じない方のために簡単な説明をしますね。
着物の作り方は、こうです。
1,これらの反物で、気に入ったものを選ぶ。
2,呉服屋さんが、依頼客の体の各所寸法を測る。
3,その寸法をもとに、反物を裁断し縫合し着物を仕立てる。
と、こういう流れです。
着物の素晴らしい部分の一つが、「着物を仕立てるときに反物全てを使って無駄な部分を出さない」と言うところです。
勿論、糸1本1本が蚕の命であるわけですし、反物を織り上げた職人さんの腕と時間でもあるわけです。
だから、無駄を出さないというのがいかに美しく貴重なことであるか、調べていて身に沁みます。
さて先程のせき呉服店の陳列棚の写真一番下。
そこにあるのが、晤郎さんが好まれた「大小霰(だいしょうあられ)」
江戸小紋の中でも人気の高い文様です。
さらに大小霰に、鮫、通し、行儀、縞の四つの文様を加えて江戸五紋と呼ぶそうですね。
つまり「格」のある文様ということらしいです。
さて話が長くなりました。
最後に、上記写真の大小霰のアップを記載して、本日のブログはここまで。
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大小霰