中山七里
☆昭和37年大映映画
同名のミステリー作家もいらっしゃいますが、今回は映画の話。
晤郎さんも度々触れてらっしゃいましたが、股旅物です。
主演、市川雷蔵。
共演。中村玉緒。
この中山七里は、日高晤郎さんの映画デビュー作「江戸へ百七十里」の二ヶ月前に公開された作品なので、当然、晤郎さんの思い入れも強いんですね。
別れて三年、流れて七里。
江戸深川の名物男政吉は、恋仲おしまと死に別れ、今じゃしがない旅鴉。
なんて晤郎さんの名調子が聞こえてきそうなこの作品は、例のアマゾンプライムにありましてね。
ここんとこ極寒の札幌で外出が億劫で、もういっそ引き籠ろうと決めてゆっくり見ました。
私にとって初めて見る作品でした。
いやぁ、、、政吉がかっこよくて切ない。
旅先で悪い十手持ちから助けた娘おなかが、死に別れたおしまと瓜二つ。
しかも、おなかには既に許嫁が居て。
く~~、男はこうでなくっちゃというなんかこう、生き様というか気風の良さというか、映しこまれていましたね。
☆舞台となった中山七里
映画見るまでは勝手に、中山道を七里行った所だと思い込んでいました。
中山道は、江戸五街道の一つ。
日本橋を起点として今の群馬県と長野県県境・碓氷峠を渡って諏訪湖。
そして関が原に下り、京都三条大橋までの中山道六十九次。
そこで私の解釈の、中山道を七里行った所だとすると、江戸、しかも日本橋からは28kmと目と鼻の先。
なんともこじんまりとした話になるんですね。
だから、見終わってからですが、調べてみた。
思い込みって怖いですね。
中山七里って、岐阜県飛騨川中流にある渓谷のことでした。
向かって右の紫の丸が江戸、つまり東京。
向かって左下の紫が名護屋、つまり名古屋。
そして大きな赤丸の中央が、中山七里です。
もう少し調べてみると、この中山七里。
飛騨街道の難所で、その七里(28km)を豊臣の時代に往来しやすく道を拓いたそうなんです。
そうか難所だから、あの悪い十手持ちが顔を利かせていられたんだなと納得。
ちなみにこの渓谷。
かつて日本の中央にあった超巨大な活火山の名残りでもあると思うので、そういう意味でもいつか行ってみたいなと思うのです。
余談ながら日本中央アルプスは、その超巨大活火山の残骸らしいですよ。
自然って凄い。