清水寺の坂~仁和寺への旅
☆木村善幸 仁和寺特別コンサート風景
ねねの道が終わると、目の前が一年坂。
実はこの旅が始まるまで、清水寺への坂道は、二年坂と三年坂しかないと思っていた。
思い込んでいた。
で。
心の片隅に「一年坂と言うのは無いのだろうか?」等とうすぼんやり思ってはいたのだが、それ止まり。
しかし京都に来て、一年坂があると知った。
何と言う不勉強。
晤郎さんに恥ずかしい。
修学旅行生だろうか?
一年坂の入り口に群がっていた。
学生たちの脇を通って、一年坂へ。
一年坂、一念坂とも書く。
入口。
中々趣がある。
角を曲がると、こんな感じ。
さて写真ではどうも分かりづらいし、自信が無いのだが、確かこの辺から二年坂。
お店が段々増えて来る。
こういうのはイメージ通りだが、なんだか一年坂の奥ゆかしさが私は好きかも。
古い店を探した。
かくて幾度か尋ねた折の、歴史を感じる軒先は、最近流行の色合いの店に替わられていた。
新しい店も良いものだけれど、どこもかしこも同じ顔になる哀しさってあると思う。
二年坂、二寧坂とも書く。
そしてこちらは三年坂。
古い店は無いか。
京都らしい、清水の坂らしい、そんな出会いがどこかに無いか?
ほんの少しばかり寂しい気持ちで、人々の間を歩く。
初めてここに来た日を思い出す。
不思議な店で不思議な置物に出会い、けれど少々お高くてその時分は買えず。
二十年経って再びここに戻ってきた時は、どこを探しても、どの店に入っても、あんなにあちこちに置いてあったその不思議な置物は見当たらない。
半日。
腰を据えて二年坂と三年坂のお店をジックリしらみつぶしに調べてようやく一体、古い店の奥の棚の隅っこに埃をかぶって転がってたのを発見。
私が喜んでいると店の方が「それ、昔流行ったんです。そうですか、探してはったんですか。」と半額にして下さった。
あの風情が懐かしい。
ひとあし
ひとあし
三年坂、産寧坂とも書く。
ここまで上がれば、もう清水寺の前。
ここで清水寺に入らずにまたもと来た道を戻るというのが今回の特徴。
いや実は、夜にもう一ヶ所行くところがあって、時間も迫っていた。
帰路、もう一回古い店を探して、何か私を待っててくれているモノにどうしても出会いたかったのだ。
古本屋の超能力と同じ、なんか出会えるという強い予感は朝からしていた。
でもまだ出会っていないという清水寺前。