外郎売に関して、古屋アナウンサーからの回答

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☆古谷敏郎アナウンサーに質問できるチャンスは、一瞬

さて、話は戻ってなんでやねんでの忘年会。
私が数年前からずっとお話ししたかった古谷さんは、晤郎さんファンでNHKのアナウンサーで古典芸能に精通されてる方。

これだけの席があって、偶然お隣に見えたのもきっとご縁。
今が一点のチャンスってこと。
何事にも共通して言える事は、こういう場合もったらもったらしてると、もうそういうチャンスは二度と巡って来ないという事。
だからもう、尋ねるしかない。チャンスだ。

それは、全体の会話の流れの変化で、一瞬にして訪れ、一瞬にして過ぎ去る。
その一瞬が来た時、迷わず、適切な言葉でこちらに向いてもらえるかどうかだけが鍵。
いや実は、私達の日常会話だって、程度の差はあれ全部そうなのだ。

流れを見て折を見て、場の雰囲気を壊さないよう私なりに気を付けて、質問開始。

☆滑舌法としての「外郎売」

第一の質問
1、NHKアナウンサーの皆さんは、滑舌法として「外郎売」をやっておられるのか否か。
☆古谷さんの答え
「現在、アナウンサーで滑舌法として外郎売をやっている人は、私の知る限りほとんど居ないですね。」との事。
売られている本には、「外郎売はアナウンサーの方の滑舌の練習として重宝されてます。」とかたまに書いてあるんだけど、あれは間違いのようですね。ほらね、本職の方に聞くのが一番。
古谷アナウンサーも、外郎売はやったことが無いとの事だった。

☆日高晤郎さん版「外郎売」への感想

次に、発音とか表現とか、正しい日本語使用を義務付けられた国営放送のアナウンサーの耳と思いを知りたかった。
なので、第二の質問。

2、古谷さんは、晤郎さんの「外郎売」の口上を、どのように感じられてましたか。
☆古谷さんの答え
「それがですね、私、晤郎さんの外郎売を聴いたことが無いんですよ。」との衝撃の事実発覚。
なんと、もったいない。
古谷さんご夫妻には、是非とも生で聴いて頂きたかったな。
あの晤郎さんの生きた話芸。
あと、紺屋高尾も聴いてみたかったと仰っていました。なんとも残念です。
DVDありますよ、紺屋高尾。

☆「外郎売」台詞の解釈

では、第三の質問。
これが今回の本丸。

3、伝統芸能としての外郎売台詞の解釈は、これまで国内で、どこまで研究されているのか。
古谷さんの答え
「外郎売の台詞自体に、そんなに意味はありませんね。語呂とか全体の調子とかを大切にして並べられた言葉の連なりです。」
ちょっと面白いことになってきました。
古谷さんみたいにお詳しい人がそう仰るんなら、そうなんでしょう。
では、いずれここで私がやろうとしている外郎売台詞分析は、邪道か正道か。
とにかく、面白くなってきました。
あとはこの点に関して岩本さんとお話しできる機会が来ることを、北海道神宮にでも祈っておこうっと。

☆追加質問~著作権侵害について

少し時間があったので、第四の質問をしました。
これは、外郎売とは直接は関係ないのですけど。

第四の質問
晤郎ショーの録音とかをインターネットで流しているのを見かけるんですけど、あれって著作権侵害にならないんですか?
古谷さんの答え
「本当は駄目ですよね。NHKのは見つけ次第削除されてってますね。晤郎ショーがそうして流されたまんまと言うのは、STVさんのご厚意でしょうね。」
よかった、、、私が録音してる晤郎ショーを、一部このホームページで流そうと考えてるところだった。セーフ。
古谷さんに伺って正解でした。
私は秘蔵音源、絶対に流しません。
皆さんもお気を付けくださいね。

まだちょっと、周囲の方が話疲れたりなんか食べてたり飲んだり意識飛んでたりしてたので、調子に乗って最後の質問。

☆追加質問2~感性で綴られた言葉

第五の質問
晤郎さんはたまにスタジオのお客さんのことを「聴き巧者」(ききごうしゃ)と表現されてました。調べてもその言葉が無いのです。
古谷さんの答え
「見巧者と言う言葉は、お芝居の世界でも使われてます。正式には聴き巧者と言う言葉はありませんね。でもラジオの世界で言えば見巧者に当たる言葉が聴き巧者ですよね。晤郎さんの感性で綴られた言葉なんでしょうね。」
そうか、胸を張ろう。
あの時、晤郎さんはスタジオのお客さんに向ってこう仰った。
「あなたたちは、晤郎ショーの神髄に惹かれてここに来たんです。という事は、聴き巧者なんです。そこを忘れないでください。」と。
胸を張ろう。

☆心地よかった帰り路

短い時間ではあったけれど、言葉のプロフェッショナルのお話伺えたこと、全部が学び。
古谷さんとお話しできた事を全て、このblogにこれからじっくり反映させていきたい。
なんでやねんでの忘年会、心まで満たされていた。
これも全て、晤郎さんからのご縁。
企画して下さった、なんでやねんの工藤さんに感謝。
沢山の晤郎さんファンの皆さんと再会できたことも、喜び。
帰り道、振り返るとネオンがきれいだった。

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