「日高晤郎ショー 最後の日」8時台Part5

前回からの続き

その後も、大木牧場のチーズ紹介の時に、会話がもう一つ噛み合わない晤郎さんと戸川よし乃さん。
チーズを紹介しているのに、晤郎さんが戸川さんの幼いころの食卓を尋ねたら、「母がチーズあんまり好きじゃなかったので。」と禁断のひと言。
ヒヤリとしましたが、晤郎さんはここで全く注意せず、穏やかな方に話を誘導していきました。
戻そう戻そうとする努力。

しかしそのあと、晤郎さんはこう仰っています。

【晤郎さん】
「これからね地方に行って打ち合わせとかやることもあるだろう。でもね、なんかの時はこれより厳しく打ち合わせで聞かれるよ。芸人は物が売れなきゃ芸人じゃないから。芸人はね、物を売るところを喜んでいただけるそんな仕事が出来る、だから欲しいという歌舞伎の時代からそうなんだから。 俺が怒るのは、あなたじゃ商売にならない。だけどあなたが十勝の歌をいくつも歌い続けていて、あなたは生まれ故郷に責任があると知らなきゃ。だけど君の場合は何で自分を活かすか明確に知らなきゃ駄目。」

晤郎さんが通常の状態ならば、ここまで厳しいことは無かったと思うんです。
でも分かりますよね、厳しいけれど、根底にあるのは愛情。
命の終わりの、もう何度も繰り返すことのできない愛情です。

冗談を交えながらも、人柄を誉めつつも、「笑いすぎるなヘラつくな。自分が芸人として立つという自覚が足りない。」とも。

この後、試食の時間。
晤郎さんはもう、何も食べられない状態なのに。
でもここで和やかな雰囲気に。
来週は池田町ですと紹介される晤郎さん。、、、池田町だったんです、次は。

~CM グリコプレミアム熟カレー

スタジオ内。
「あ、まだ時間は結構あるね、大丈夫だね」と晤郎さん。

他の歌人と今のチーズの味で盛り上がる会話。
こおり健太さんが酒は飲めないけどツマミは好きと言う話を受けて「だからなぁ、お医者様から言われてなかったら、、、酒のつまみが好きな奴は俺みたいに、28で突然開花する奴もいるんだよ。」と晤郎さん。
ここで「お医者様から」と別の話が混じったことに、廊下で聴いていた私はドキリとしました。
スタジオの歌人と話をしながら、気持ちが一瞬ご自分の体の事に向かったと。
普段の晤郎さんではありえない事。
とても悲しい8時台の終わりでした。

そしてまた会話は戸川さんへ。
晤郎さんの質問に対してとても短すぎる会話が成立しない返事。
成立しないので周囲の歌人は「笑う」ということでその場を和ませようとするのだが、晤郎さんは8時台の終わりに伝えることを止めなかった。
笑いの状況を上手に戻してこう言われた。

【晤郎さん】
「マイクを持つ人間はマイクを持つ責任があります。しゃべるという事は、歌のための物語る勘を磨くという事だから。あなたはマイクが無い間にもその勘を磨こうとしていない。それは意識の問題だから。」

「かわいいんだよね。この、戸川よし乃の持ってる人間性は磨きたいの、壊したくないの。歌の力も天性のものがあるから。」

「公水ちゃんを見ておけよ。ステージを見ておけ。その程の良さを学べよ。、、、そう言ったんです。」と晤郎さん。

【晤郎さん】
「それと、公水ちゃんのイェイは好きじゃなかった。相槌じゃない受け狙いでもない。昨夜のステージを見ていて、あ、これは歌なんだ、公水ちゃんの中の歌なんだ、と理解できたんです。程の良いやり方なら、良いなと。」
日高晤郎さん最後の晤郎ショー。
STVラジオ第一スタジオ前の廊下


その最後の8時台の終わりに晤郎さんが私たちに伝えた事は、命を懸けた明日への贈り物Part3での岩本公水さんへの発見でした。
最後の最後まで勉強を続けられた日高晤郎さん。

この存在を、遠い未来の誰かに気付いてほしいと願う私が居ます。

「日高晤郎ショー 最後の日」を綴るという事に続く

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