個人的手紙月間

先月は、本当に久々に手紙や葉書をたくさん書きました。
その理由は三つあります。

一つが、手紙を落ち着いて書ける環境が整ったこと。
次に、これまで色々とご縁があった方に久しくお便りを出していない不義理がずっと気になっていたこと。
最後が、今月から郵便料金大幅値上げされること。
手紙と便箋と封筒

なので、一区切りの意味も込めて、中には30年近くぶりにお手紙を出させていただいた方も多くいらっしゃいました。

当然、以前の私のように仕事が忙しくて手紙書ける時間がない方の方が多いのは理解してまして、返信は全く期待せずの投函でした。
ところが、本当に丁寧に便箋で返信を下さる方が存外多かった。
とはいっても、六割は返って来ません、それは当たり前です。
内容も、返信を期待してのものではありませんから。
手紙と便箋と封筒

ところが今は、ショートメッセージにメール、それからFacebookにInstagram、そしてラインにXと、まぁ返信の形態も様々。
時代ですね。
数日かけて送った手紙が、早いものでは付いた直後にスマホに返信が来る。
それはそれで、実際に真横にその方がいるようで嬉しいものです。
ザックリ言うと、こういう返信が三割。

そして残りの一割が、封書です。
その一割が、改めて凄いと感じられました。
どれも温かい、体温が感じられるものばかり。
その中の二通には胸打たれました。
MさんとTさんから頂いた手紙です。
頑張って歩いてらっしゃるのだなぁと、その日一日を、その封書の分元気に過ごせるほどの効果がありました。
手紙と便箋と封筒

そして別のもう一通は、八十半ばを過ぎた方からの三度目の返信。
そうです。
その方からは現在で計三通頂いていまして、その最後の一通が二日前に届いたんです。
筆無精でまずは筆記用具を手に取らないはずのその方が、なぜか三通も。
当然私も手紙が来たら返信しますから、それでそのまた返信が来るという形で。

Fさんといいます。
九州在住です。
慣れない手紙を、何度も何度も書き直したのが分かります。
胸が熱くなりました。
というより読ませて頂いてあんなに涙が出ることは私には珍しい事です。
半日は、気を抜くと涙がこぼれるくらい。
来年あたり、Fさんにも会ってこようかなと思わせる内容でした。
手紙と便箋と封筒

若い時よりは、歳を重ねるごとに手紙というものが沁みるのでしょうね。
一通に懸ける思いが違うなと思います。
例えば、かなり遠方の朋と一年後に会うと約束したとしても、20代と80代では一日の重みが違います。

簡潔に言うと、20代であればほぼ間違いなく一年後に再会できるでしょうが、80代であればその確約はできないでしょう。
その思い、一昨日しかと受け取りました。

Fさんはまた手紙を私に下さるでしょう。
離れていても、こういう交流もあるという事です。
手紙のやり取りが、これからの人生の小さな支えになって行くのだと思いますが、どうも心苦しいのは、今月からの郵便料金値上げです。
手紙と便箋と封筒

メールもラインもXも知らないFさんには、私はこれから手紙のやり取りを続けるつもりです。
しかし、封書が84円から110円に値上げされたのですから。
どんな頭してるんだろう日本郵便株式会社は。
しかも投函してもまとめて破棄するのも居ますから。

私の手紙のやり取りも、Fさんを除いてこれから激減して行きます。
手紙文化の衰退。
空の上から晤郎さんは、現在の郵便事情をどう言う思いでご覧になっているのだろうと思うのです。
手紙と便箋と封筒

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